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僧帽弁置換術後弁周囲逆流に対する経カテーテル逆流孔閉鎖術 ~国内で初めて心尖部アプローチに成功~

2016年03月22日

国立循環器病研究センター(略称:国循)小林順二郎副院長のチームは、2016年3月14日に僧帽弁置換術後弁周囲逆流(PVL)に対する経カテーテル逆流孔閉鎖術に成功しました。心尖部アプローチによる成功は国内初となります。

僧帽弁置換術後PVLは、人工弁置換術後の5%〜17%に生じるといわれており、溶血、心不全をおこす場合があります。この場合標準治療は外科的再手術ですが、2回目の開胸手術の死亡率は10%近くにのぼります。また、基礎にある組織脆弱性、炎症、または石灰化のために再発する可能性も高いのが現状です。

このため、溶血や心不全といった症候性のPVLのうち、欠損孔の形態が現在使用可能なデバイス留置に適している症例であり且つ高齢や頻回の手術など外科的修復術がハイリスクである場合、経カテーテル逆流孔閉鎖術を考慮することがガイドラインとして示されています。 海外では、AMPLATZERバスキュラープラグIIを使用した経カテーテル逆流孔閉鎖術が広く行われています。日本では、これまで心房中隔からのアプローチによる経カテーテル逆流孔閉鎖術が数件行われていますが、操作性が悪く手術時間が4時間前後と長くなるという問題がありました。

今回この治療法を実施したのは過去3回の開心術を経験した70代男性で、前回他院でPVLに対する再手術(開心術)が行われたものの、再発を来して当センターに紹介されました。国循のハートチームは、心尖部アプローチによる経カテーテル逆流孔閉鎖術を施行し、手術時間約2時間でPVLが高度から、軽度に改善させることが出来ました。

この治療法により、再手術が必要な患者さんが低侵襲で短時間に治療が出来るようになりました。今後もこの治療法を臨床研究として4人の患者さんに行う予定をしています。

<図>本治療の概要
心尖部より直接心臓へ穿刺し、カテーテルを挿入します(←①部分)。経カテーテル的にワイヤーを逆流孔へ通し(←②部分)、閉鎖デバイスを運び留置することで、逆流孔からの血液の逆流を止める治療です。
本治療の概要

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