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国循 100例目となる心臓移植を実施

平成29年7月19日

国立循環器病研究センター(略称:国循)では、平成29年7月12日に通算100例目となる心臓移植を実施いたしました。

移植医療のこれまでの経過

回復不能なまでに進行した重症心不全の唯一の治療法は心臓移植です。1967年に南アフリカで最初に心臓移植が成功してから世界で移植医療の実践や研究が重ねられ、現在では心臓移植は末期心不全の外科治療として確立されました。しかし、わが国では1968年のいわゆる和田心臓移植の影響を受けて、長年心臓移植は行われませんでした。国循の曲直部元総長や川島名誉総長などが社会に働きかけ、中山太郎元衆議院議員を中心とする国会議員の尽力の結果、1997年に臓器移植法が成立・施行され、1999年2月に心臓移植が再開されました。しかし、この法律では本人の同意が必須などの要件が厳しかったため、国内での移植件数は増加せず、2003年には1例も心臓移植は実施されませんでした。そのため、患者団体や関係学会が中心となって、法改正への取組みが盛んになりました。さらに2008年に国内の死体臓器移植を増加させ、自国で脳死移植を行うことを推奨するイスタンブール宣言が採択されたことで法改正への動きが加速し、2009年7月に改正臓器移植法が制定され、翌年7月に施行されました。その結果、家族の同意による脳死臓器提供や15歳未満の小児からの脳死臓器提供が可能となり、国内の心臓移植件数は飛躍的に増加しました。
国循では1999年に国内2例目・3例目の心臓移植を実施し、これまで国内最多の心臓移植を実施しています。中でも2回の2例同日移植や成人先天性心疾患患者に対する移植、6歳未満の小児への移植など様々な症例を経験し、わが国の移植医療を牽引し続けています。心臓移植後10年生存率も95.2%で、世界でも類を見ないほど良好な成績をあげています。

今後の課題

心臓移植に関する認知の向上に伴い、移植件数以上に待機人数が増加し、待機期間が数年もの長期に及ぶケースが増えています。補助人工心臓(VAD)の性能向上により長期の待機を乗り越えて移植を行うことも可能になりましたが、待機期間の縮減のためにはドナーの増加が必要です。また、小児の心臓移植についてはドナー数が絶対的に不足しており、多額の費用を募金などで工面して海外渡航移植を受けるケースが非常に多いです。海外で汎用されている小児用VADが2015年に承認されたものの、長期の待機に耐えられるわけではないため、医療関係者も含めドナー増加のための啓発が一層必要になります。

最終更新日 2017年07月19日

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