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わが国におけるカテーテルアブレーション症例
全国登録プロジェクト「J-ABレジストリ」が
世界最大級の施設数および症例登録数を達成しました

2019年3月19日
日本不整脈心電学会
国立循環器病研究センター

日本不整脈心電学会(理事長:野上昭彦、カテーテルアブレーション委員会委員長:山根禎一)と国立循環器病研究センター(略称:国循)の草野研吾心臓血管内科部長、宮本恵宏循環器病統合情報センター長らの研究チームは、2017年8月よりカテーテルアブレーション症例全国登録プロジェクトである「J-ABレジストリ(患者登録システム、以下「本レジストリ」)」を開始しました。本レジストリへの登録数は約35,000例(2018年8月時点)にのぼり、その後登録症例数は増加し続けており、カテーテルアブレーションのレジストリでは世界最大規模となりました。本成果は、日本不整脈心電学会の学会誌「Journal of Arrhythmia」オンライン版に2019年2月4日に掲載されました。

背景

頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療は現在では標準的な選択肢であり、その有効性は上室頻拍で90%以上、心房細動で70~80%と報告されています。しかし、これらの数値は限られた施設の登録研究によって算出されたものであり、必ずしもわが国全体の状況を表しているとは言えません。このため、わが国の不整脈に対するアブレーション治療の実態を解明するためには、特定の施設だけでなくナショナルレベルでカテーテルアブレーションを実施している幅広い施設での実施状況を詳細に調査・解析できるレジストリが不可欠です。

本研究の意義

本レジストリは、国循と日本不整脈心電学会の主導により、規模を問わず全国の医療機関から症例を蓄積し解析する前向き観察研究です。症例登録には国際的な標準データ集積システムであるREDCap®を用いました。登録項目は患者背景・病名・治療法・合併症などで、不整脈種類ごとに登録項目を設定し、毎年9月に詳細な項目を解析して公表します。

全国にカテーテルアブレーションを行う医療機関は400ヶ所以上あり、循環器疾患診療実態調査(JROAD)によるとアブレーション実施数は年間7万例以上といわれていますが、2018年8月時点で200以上の施設が登録を完了し、3万5千例以上の症例が登録されました()。また、その後も登録数は増え続けています。海外で実施している不整脈に対するレジストリおよびわが国で過去に実施されたレジストリでは、登録施設数は100件にも満たず登録件数も数千~数万例に留まっていることから、本レジストリは世界最大規模のアブレーションレジストリであるといえます。また、可能な限り国内の全症例を調査し、不整脈種類ごとに詳細な調査を行う点が他研究とは異なります。わが国全体のカテーテルアブレーション実績についての詳細かつ信頼できるデータが得られることで、国際比較研究などに発展可能になると期待できます。

<図>J-ABレジストリ登録状況

左側は登録患者数(オレンジの折れ線グラフ)、右は登録施設数(青の棒グラフ)を示す。本レジストリの登録開始から1年で、わが国でカテーテルアブレーションを実施する半数以上の施設が登録完了した。




最終更新日 2019年03月19日

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