国立循環器病研究センター

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冬場は心筋梗塞による心停止が増加

-冬の心筋梗塞を防ぐための10箇条-

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:橋本信夫、略称:国循)予防医学・疫学情報部 西村邦宏室長らの研究グループが、2005年1月から2008年12月までの4年間の消防庁のウツタイン統計から約19万6千件の心臓由来の心停止を解析すると、10月から4月頃にかけて心筋梗塞の最重症型である心停止の発生が多いことが分かりました(2011年11月米国心臓病学会にて発表予定。下図は抄録から引用)。

心筋梗塞は、心臓の血管(冠動脈)が閉塞するためにおこり、心臓の機能が急激に低下したり、重症の不整脈を合併することで突然死をきたす原因となります。これからますます寒い時期を迎えるにあたって、心筋梗塞の予防、特に寒冷地や震災地の仮設住宅での防寒対策が重要と考えられます。

<冬場に心筋梗塞を予防するための注意すべき10箇条>

1) 冬場は脱衣室と浴室を暖かくしておく。
2) 風呂の温度は38~40度と低めに設定。熱い湯(42~43度)は血圧が高くなり危険です。
3) 入浴時間は短めに。
4) 入浴前後にコップ一杯の水分を補給する。
5) 高齢者や心臓病の方が入浴中は、家族が声を掛けチェック。
6) 入浴前にアルコールは飲まない。
7) 収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が110mmHg以上ある場合は入浴を控える。
8) 早朝起床時はコップ一杯の水を補給する。睡眠時の発汗で血液が濃縮しています。
9) 寒い野外に出る時は、防寒着、マフラー、帽子、手袋などを着用し、寒さを調整しましょう。
10) タバコを吸う方は禁煙をしましょう。

<寒さは心筋梗塞の大きな原因>

冬に心筋梗塞が多い理由の一つとして、寒冷期の血圧の上昇、特に暖かい屋内から特に寒い部屋や屋外に移動する際の血圧の急激な変動があげられます。ヒートショックといわれるストレスが心臓の負担を増やし心筋梗塞を起こしやすくなります。また、寒さで心臓の血管(冠動脈)が過剰に収縮し血流不全に陥ることも心筋梗塞の一因である考えられています。

月毎の心原性心停止の発症率

最終更新日 2012年02月13日

最終更新日:2021年09月28日

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