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理事長からのご挨拶

理事長 小川 久雄
理事長 小川 久雄

国立循環器病研究センター(国循)は、脳卒中と心臓血管病の患者さんの専門的治療と研究を行っている世界有数の施設であり、1977年(昭和52年)6月に創設、42年後の2019年(令和元年)7月1日に新大阪駅から7分のJR岸辺駅に直結した場所に新しくオープンいたしました。JR岸辺駅は、京都、神戸からも30分という抜群のアクセスを誇ります。新国循は、長さ280m、幅80m、地上10階、地下2階という巨大な建物で、その一つ屋根の下に、最先端の医療を提供する病院、最新の研究機器を備えた研究所と、企業·大学等の研究者と共同研究を行うオープンイノベーションセンターの3つの機関を設置しました。新国循が立つこの地域は、30ヘクタールの土地に吹田市民病院、企業が入るイノベーションパーク等ができており、北大阪健康医療都市(健都)と呼ばれます。

2020年(令和2年)は新型コロナウイルス感染症(コロナ)拡大により社会が一変した年でした。その影響は1年を経過した現在もなお収束の兆しは見えません。まさに世界的なパンデミックの状況で、1918年から1920年にかけて流行し、世界の人口の半数から3分の1が感染し、全世界で5,000万人以上の人が死亡したスペイン風邪以来の100年ぶりの事態を招いています。

コロナの対応では、病院と研究所を併設するという国循の強みを遺憾なく発揮することができました。患者さん、医療スタッフが安心して治療に取り組めるよう、4月8日から、研究所職員の協力により、国立循環器病研究センター内でPCR検査が可能となり、病院診療の助けとなりました。彼らは、5月の連休も休日を返上して対応し、連休明けからはすべての入院患者にPCR検査をする体制に移行しました。これらの取り組みが診療にどれだけ役立ったかは計り知れません。まさに病院、研究所の団結力が一層強くなるきっかけともなりました。

秋以降の感染者増を踏まえ、国循としても、感染防止対策を十分に講じた上で、重症のコロナ患者と中等症以上のコロナ患者を受け入れることを決断し、ICUや一般病床も減床して、コロナ専用病床を設置しましたが、飯原弘二病院長をはじめとした病院スタッフの頑張りで病院の診療実績は比較的保たれました。速報値ですが、2020年1月から12月までの入院患者数は12,445名、救急車受入台数は3,339台で、入院患者数では2019年を63名上回りました。コロナの影響により全国から大阪に来られる紹介患者さんの移動制限や患者さんの意思での入院延期などで予定入院患者数は112名減少しましたが、他の医療機関がコロナ対応で受けられなかった緊急入院患者を積極的に受け入れた結果だと思います。脳卒中1,039例、急性心筋梗塞は327例、急性大動脈解離124例などの入院は昨年に比べ10%~30%の増加です。心臓血管外科開心術は1,101例と昨年より若干増加、特に大血管手術は413例と大きく実績を伸ばしました。コロナの影響で実績が落ちた科もありましたが、病院全体としましては非常に頑張ってくれました。

研究所には、公募により有能な研究者が新しく国循に加わってくれまして、研究の活性化が見られております。巽英介先生が34年かけて開発しました世界一のECMOは東京、大阪の専門病院で心臓病患者さんはもちろん、コロナ患者さんにも使用中です。また望月直樹研究所長が国循を代表機関として15参画機関と共同で応募した産学官民連携プロジェクトが、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(バイオ分野・本格型)」に採択されました。産・学・官の実質的融合連携ができる「共創の場」としての拠点を「健都」に設け、医療と医学研究の中核をなす国循内に拠点本部を設置します。

また、オープンイノベーションセンターも、4月に新しく宮本恵宏センター長となり、センター内のラボには、6社の新企業が参入し計17社となり、今後、入居が見込まれる企業もあります。当初の予定より面積を増やしましたが、既に82%のスペースが運用されています。

最後になりますが、私達の目標は世界一の循環器病研究センターを作ることです。そのためには、乗り越えるべき幾多の課題がありますが、職員全員が一丸となって、世界一を目指していきます。皆様の御支援を宜しくお願いいたします。

国立循環器病研究センター 理事長 小川久雄

理事長 略歴

経歴 1978年(昭和53年) 熊本大学医学部卒業
1981年(昭和56年) 国立循環器病センター レジデント(心臓内科)
1984年(昭和59年) 熊本大学医学部附属病院 医員(循環器内科)
1991年(平成3年) 熊本大学医学部附属病院 講師(循環器内科)
2000年(平成12年) 熊本大学医学部 教授(循環器内科)
2015年(平成27年) 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 副院長
2016年(平成28年) 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター 理事長
専門 循環器疾患全般(特に冠動脈疾患の病態と治療)、多施設共同臨床研究
井村臨床研究賞(公益財団法人成人血管病研究振興財団)(2013年12月14日)
日本医師会医学賞(2016年11月1日)
日本心臓病学会上田賞 受賞(2017年9月29日)
日本心臓病学会栄誉賞 受賞(2019年9月13日)
学会等 理事、
名誉会員、
功労会員
日本循環器学会代表理事 (2014年4月18日~2016年6月24日)
日本循環器学会名誉会員(2018年6月29日~)
日本医学会連合理事 (2015年6月24日~2017年6月15日)
日本心臓病学会名誉会員(2018年10月27日~)
日本内科学会功労会員(2018年4月13日~)
会員 Fellow of the European Society of Cardiology(FESC)
(2013年1月1日~)
Fellow of the American College of Cardiology(FACC)
(2013年2月1日~)
International Fellow of the American Heart Association(FAHA)
(2014年3月28日~)
学会の主催 第61回日本心臓病学会学術集会 (2013年9月20日~22日)
第79回日本循環器学会学術集会 (2015年4月24日~26日)
学会発表 American Heart Association(AHA)
Late-breaking Clinical Trial 「JPAD trial」(2008年11月9日)
American College of Cardiology(ACC)
Late-Breaking Clinical Trials 「OSCAR Study」 (2011年4月5日)
European Society of Cardiology(ESC)
Hot Line 「LISTEN Study」(2014年8月31日)
European Society of Cardiology(ESC)
Hot Line 「ATTEMPT Study」(2015年8月31日)
Editor Heart and Vessels (Editorial Board)
European Heart Journal Supplement (International Editorial Board)
International Heart Journal (Consulting Editor)

最終更新日 2021年01月25日

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