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看護部ブログ

同じ脳梗塞なのに??看護のやりがいを感じる瞬間って??

脳神経・脳血管内科病棟の5年目看護師です!

私は脳疾患の病棟に勤務するまでは、脳と聞けば、なんだか難しくてややこしそうなイメージでした。                                                                   学生の頃に脳神経を12まで覚えるのも嫌でしたし、理解するのに大変苦労しました。

ですが実際に働いてみると様々な発見や驚きがありました!例えば、2人の患者さんは同じ左中大脳動脈領域の脳梗塞だったのですが、

1人目の方はADL自立、大きな後遺症特になし→自宅退院

2人目の方は、ADL全介助JCS-100→療養型病院へ転院

と、同じ病巣でも全く状態が違いました。

何故かというと、1人目の方は脳梗塞発症からすぐに来院し、t-PA(血栓溶解療法)とEVT(カテーテル血栓回収療法)を受けられたので、治療後は元の生活と変わらない様子でした。                                  2人目の方は、発症から半日間、自宅で発見されず、脳梗塞発症により不可逆的に脳がダメージを受け回復ができなかったため、大きな後遺症を残すことになってしまいました。                                     このように同じ領域の脳梗塞でも治療開始のタイミングで退院時の状態にこれほどまで差があるということを勤務して初めて知りました。

後遺症の程度や種類は様々です。看護師は麻痺などの障害の程度に合わせて介入を行います。                                                                             例えば、半身麻痺が残存すると、食事や排泄動作にも介助を要します。脳梗塞を発症し、集中治療室から一般病棟へ移動して来られた当初は、                                             麻痺が残存しトイレへの移動に車椅子を使用していた患者さんを例にあげます。

私はその患者さんに対し、日々トイレ介助を行う中で、車椅子からの立ち上がる様子や、立ち上がった後のふらつきの有無、車椅子から便座へと身体の方向転換を行う様子から                                車椅子を使用せずとも移動できるとアセスメントを行いました。そして車椅子ではなく、歩行器を用いてトイレ誘導を行ったところ、スムーズにトイレに行くことができました。                                脳梗塞発症により、できないことが増え、落ち込んだ様子が見られていた患者さんでしたが、ご自身でできる動作が増えたことで、患者さんの表情に笑顔があふれており、                                   看護のやりがいを感じました。

脳は人間が生きていくために大切な神経が沢山あります。                                                                                    生命は保たれるけど、半身麻痺に加え、失語症や半側空間無視・構音障害など、障害されると生きづらくなるような神経も通っています。                                                        しかし、そんな障害が残存した患者さんの回復を実感できた時の驚きや感動は、脳卒中病棟に勤務している看護師だからこそ得られるものだと思います。 

ぜひ、私たちと一緒に脳のことを知り、患者さんの回復を支援できる看護を考えましょう!!

 

国立循環器病研究センター 6E病棟 5年目看護師

 

掲載については、ご本人の同意を得ています。

最終更新日:2023年12月27日

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