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血管生理学部

高安動脈炎に対する抗interleukin-6(IL-6)受容体抗体治療の有効性の検討と病態解明

高安動脈炎は日本の眼科医・高安右人先生により発見された疾患で、我が国の患者数は6,000名弱で、男女比は約1:9です。高安動脈炎は大動脈とその主要分枝血管をおかす大型血管炎で、日本を含む東アジアや中南米に患者が多く、10~20代女性で発症が多く見られます。その原因は未だ不明ですが、自己免疫の機序で発症すると考えられており、治療の中心的薬剤は副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン:PSL)です。しかしながら、PSLの減量過程で再燃する患者が半数以上を占めることが問題となっています。

この様にステロイド治療抵抗性を示す高安動脈炎の治療法は未だ確立しておらず、Unmet Medical Needsとなっています。我々は抗IL-6受容体抗体tocilizumab(TCZ)を用いたパイロットスタディを2008~2012年に施行して、TCZによるIL-6阻害療法が高安動脈炎に有効である可能性を報告しました。その後、大阪大学医学部附属病院を中心とする多施設臨床試験を経て、全国の企業治験(中外製薬)に進展しており、近い将来、TCZは薬事承認されることも期待されています。

なぜIL-6阻害療法が難治性経過を取る症例に有効性を示すのか?を明らかにすることで、高安動脈炎や巨細胞性動脈炎などの大型血管炎の病態解明に繋げたいと考えています。(中岡良和は厚生労働省の難治性血管炎の調査班の研究分担者もしており、大型血管炎の登録研究・ガイドライン作製にも関わっています。)

また、中岡は国立循環器病研究センターの外来でも高安動脈炎・巨細胞性動脈炎の患者さんを診ておりますので、必要があればご紹介・ご相談をお受けすることが可能です(毎週金曜日午前・心臓血管内科(肺循環科枠)第7診察室)。

関連業績

  1. Arita Y, Nakaoka Y*, Otsuki M, Higuchi K, Hashimoto-Kataoka T, Yasui T, Masaki T, Ohtani T, Kishimoto T, Yamauchi-Takihara K, Komuro I, Sakata Y. Cytokine storm after cessation of tocilizumab in a patient with refractory Takayasu arteritis. Int J Cardiol. 187:319-321, 2015. (*corresponding author)
  2. Terao C, Matsumura T, Yoshifuji H, Maejima Y, Nakaoka Y, Takahashi M, Amiya E, Tamura N, Nakajima T, Origuchi T, Matsukura M, Kochi Y, Ogimoto A, Yamamoto M, Takahashi H, Nakaymada S, Saito K, Wada Y, Narita I, Kawaguchi Y, Yamanaka H, Omura K, Atsumi T, Tanemoto K, Miyata T, Kuwana M, Komuro I, Tabara Y, Ueda A, Isobe M, Mimori T, Matsuda F. Takayasu arteritis and ulcerative colitis-high concurrence ratio and genetic overlap. Arthritis & Rheumatol. 2015 May; 67(8): 2226-2232. doi: 10.1002/art.39157.
  3. Nakaoka Y*, Higuchi K, Arita Y, Otsuki M, Yamamoto K, Hashimoto-Kataoka T, Yasui T, Ikeoka K, Ohtani T, Sakata Y, Shima Y, Kumanogoh A, Yamauchi-Takihara K, Tanaka T, Kishimoto T, Komuro I. Tocilizumab for the Treatment of the Patients with Refractory Takayasu Arteritis. Int Heart J. 54, 406-411, 2013 (*corresponding author)

最終更新日 2016年07月01日

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