ホーム > 各部のご紹介 > 分子病態部

分子病態部

組織および在職者

部長 小亀 浩市
室長 本田 繁則(病態解析研究室)、秋山 正志(分子機能研究室)、柳本 広二(疾患分子研究室)
上級研究員 樋口(江浦) 由佳
リサーチフェロー 大和 恵子(流動研究員)、吉田 亜佑美(流動研究員)、丸山 慶子(非常勤研究員)、中城 有香子(非常勤研究員)、井本(山本) ひとみ(学振RPD)
客員研究員 神出 計、坂野 麻里子、坂野 史明
派遣研究員 阪田 敏幸
研究従事者 横田 千晶岡本 章、光黒 真菜、城之内 芳枝
研究補助員 池島 裕子、國枝 泰子、百崎 希、内田 裕美子
事務補助員 菊地 いくみ

活動状況

分子病態部は脳梗塞・心筋梗塞の原因となる血栓症の研究を基礎・臨床の両面から進めています。脳梗塞・心筋梗塞は日本人の死因の上位を占めることから、血栓症の予防や治療に関する研究は喫緊の研究優先課題といえるでしょう。

血栓は傷口をふさぎ生体を守る役目(止血という)を果たしますが、血管内で血栓が生じると血栓症を起こし、死に至ることがあります。脳に血栓が生じると脳梗塞、心臓の血管に血栓が生じると心筋梗塞、静脈に血栓が生じると静脈血栓症になります。静脈にできた血栓が血管内を流れ肺動脈に詰まると肺塞栓症になります。

血栓症の予防と治療を考えるには、血栓の形成機構の理解が必要です。血栓の形成メカニズムは、動脈と静脈で異なると考えられています。動脈系の血栓症である脳梗塞(心源性脳梗塞は除く)・心筋梗塞は血小板の寄与が大きいと考えられています。ですから、脳梗塞・心筋梗塞の患者の再発予防には主に抗血小板薬が用いられます。一方、深部静脈血栓などの静脈でおこる血栓は血液凝固因子の寄与が大きいといわれ、その予防には主に抗凝固薬であるワルファリンが用いられます。脳梗塞の中でも、心臓に生じた血栓子が脳まで流れ脳血管で詰まる場合(心源性脳梗塞)は、血流のうっ帯が原因となるため静脈系でおこる血栓症と同様に抗凝固薬が用いられます。

動脈血栓に重要な役割を果たす血小板は、いろいろな刺激に反応し凝集塊を形成する性質を持っています。最近の研究により、動脈内での血小板血栓のメカニズムが分かってきました。血管が損傷すると、血管内皮細胞がはがれ、血液がコラーゲンに接触します。コラーゲンは血小板を活性化する能力があります。血液中にあるフォンビルブランド因子もコラーゲンに結合します。このフォンビルブランド因子も、血小板を活性化する能力があります。このように、血管内皮細胞がはがれたところで、血小板を活性化するいろいろな反応が進行し、固い血小板血栓が形成され、それが血管を閉塞すると脳梗塞・心筋梗塞になります。

静脈血栓症は、エコノミークラス症候群という言葉で知られています。静脈に血栓ができると、例えば太ももやふくらはぎの静脈に血栓ができると脚(あし)が腫れます。時には、血栓子が血管内を流れ、右心房、右心室を経由して肺動脈に血栓子が詰まると肺塞栓症となり、呼吸困難から死に至ることがあります。

血栓症は環境因子と遺伝因子が重なって発症する多因子疾患です。血栓症の予防と治療に向けて、血栓形成の機構の解明を目指した基盤研究と血栓症患者を対象にした臨床研究を行っています。

研究内容

  1. 1.血小板血栓形成機構の解明とその成果を用いた血栓症の診断法および治療法の開発

    1. 1-1) 血栓性血小板減少性紫斑病の研究
      1. 1-1-1) 先天性血栓性血小板減少性紫斑病患者の遺伝子解析と確定診断
      2. 1-1-2) ADAMTS13活性の測定法の開発と実用化
      3. 1-1-3) ADAMTS13遺伝子改変マウスによる病態モデルの開発と解析
      4. 1-1-4) ADAMTS13の立体構造決定による基質認識機構の解明
    2. 1-2) 血小板インテグリンの活性化機構に関する研究
  2. 2.日本人の血栓性素因の研究とその成果を用いた個人の体質に合った予防法の開発

  3. 3.安全・安心な抗血栓薬の使用を目指した臨床研究:遺伝子情報を用いた個人に適した医療の実現に向けて

    1. 3-1) アスピリン抵抗性の臨床研究:ProGEAR研究
    2. 3-2) 抗凝固薬ワルファリン量の個人差にかかわる遺伝子多型の研究
    3. 3-3) 抗血小板薬クロピドグレルの効き目にかかわる遺伝子
    4. 3-4) 遺伝子多型検索による高血圧個別化診療の確立に関する研究
  4. 4.循環器病と小胞体ストレスに関する研究

    1. 4-1) NDRG遺伝子ファミリーに関する研究
    2. 4-2) 小胞体ストレスに関する研究
  5. 5.脳神経・脳外科疾患の病態解明と新たな治療法の開発

    1. 5-1) 高電位刺激を用いた脳由来神経栄養因子増加方法による脳機能向上と神経再生手段の開発
    2. 5-2) 脳由来神経栄養因子増強因子の探索による新たな健康増進手段の開発
    3. 5-3) クモ膜下出血後の脳血管攣縮発生における血管壁修複因子:血小板由来成長因子の果たす役割の解明と血管障害予防手段の開発
  6. 6.最近の出来事

  7. 7.業績

  8. 8.血栓止血研究会update

最終更新日 2015年10月21日

ページ上部へ