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人工臓器部

研究内容
小児患者用体外設置型補助人工心臓

小児患者用体外設置型補助人工心臓

小児の補助循環は、心臓移植などの受け皿の整備が不十分で非常に限られた治療手段であったが、2010年7月の臓器移植法一部改正により、ドナーの年齢制限が撤廃され、家族の承諾があれば臓器提供が可能になり、小児心臓移植の可能性が広がり、同時に小児補助循環の必要性も増加している。しかしながら本邦で臨床使用が認可された小児用の補助人工心臓はわずかしかない。一方、1990年代に当部で開発し製品化された国循型拍動式補助人工心臓システム(VAS)の血液ポンプは、L, M, Sなどサイズのちがうものがあり、M, Sの2サイズが小児用にあたるが、実際に臨床で使われているのは成人用のLサイズがほとんどで、小児用は今日までほとんど使用されていない。そこで、小児用ポンプを改良すればデバイスの一部変更申請のみで、比較的早期に薬事承認を得られる可能性がある。本研究の目的は、従来の国循型拍動式VASの小型サイズ血液ポンプに改良を加えたものを製作し、慢性大動物実験による前臨床試験を経て、早期に臨床使用を実現することである。これまでに、改良したMサイズVASに対して、動物を用いた前臨床試験を施行し、LサイズのVASと比較しても同等以上の、安全性および有効性を示している。これらの結果を踏まえて、企業から一部変更申請を行い、早期に薬事承認を得ることを目指している。

最終更新日:2021年10月01日

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