ホーム > 各部のご紹介 > 生体医工学部 > 抗血栓性高分子材料からなる人工心臓弁の開発

生体医工学部

研究内容

心臓は四つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)に分かれており、一方通行で血液が流れるようになっています。血液の流れの一方通行を担うのが部屋と部屋の間にある「弁」です。何らかの原因によって弁の開閉が悪くなり、血液の流れが悪くなったり、血液が逆流したりすることがあり、弁膜症と呼びます。重症の場合、手術で弁を人工の弁に置き換える必要も出てきます。人工弁には、生体(ウシやブタ)由来の「生体弁」と人工材料由来の「機械弁」があります。機械弁は耐久性に優れるのですが、生体弁に比べ、血栓と呼ばれる血の塊ができやすいという欠点があります。そのため、機械弁が移植された方は血液をサラサラにする抗凝固剤という薬(ワーファリンなど)を生涯に渡り服用せねばなりません。しかし、ワーファリンの服用量が適切に管理されていない場合、血栓ができたり、多量に出血するなどの有害な出来事が起こることがあります。そこで私たちは、ワーファリンの服用量の基準を下げることが可能となる機械弁の創出を目指し、血栓ができにくい高分子材料(プラスチック)から成る機械弁の研究開発に取り組んできました。機械特性に優れるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)という高分子材料を弁の形状に加工し、その表面に、血栓をできにくくする高分子材料であるポリMPC(PMPC)の層を作りました(図1)。この弁をブタの心臓に移植した結果、PMPC層のおかげで血栓ができにくくなることが分かりました。2)

図1 高分子MRA造影剤と脳血管の造影メカニズム

論文など

  1. Y Liu,MC Munisso,A Mahara,Y Kambe,K Fukazawa,K Ishihara,and T Yamaoka*. Biomaterials Science, 6, 1908-1915 (2018)
  2. Y Kambe,A Mahara,H Tanaka,S Kakinoki,K Fukazawa,Y Liu,M Kyomoto,K Minatoya,K Ishihara,and T Yamaoka*. Journal of Biomedical Materials Research Part A, 107, 1052-1063 (2019)

最終更新日 2019年09月18日

ページ上部へ