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生体医工学部

研究内容

厚生労働省の平成23年度歯科疾患実態調査によると、国内の重症歯周病患者は推定約870 万人といわれています。歯周病により骨吸収が進むと、歯やインプラントを固定するための歯槽骨が確保できないため、治療を断念し抜歯を余儀なくされることもあります。リン酸カルシウムやハイドロキシアパタイトなどの多孔体を補填して骨欠損を治す骨誘導再生法の研究も進められていますが、その組織再生速度などにはいまだ課題が残ります。

我々は、組織浸潤を促す成長因子をヘパリン介在で多孔体表面に結合することで、早期に多孔質内部に組織を浸潤する手法を開発しました。単純に成長因子を多孔体に混ぜる・塗布する方法では、急激な薬剤放出をおこすため、局所領域での最適な薬剤濃度の維持が難しいのに対して、成長因子との結合能が高いヘパリンで多孔体を表面処理することで、長期間の薬物除法効果が期待できます。また、このヘパリン処理多孔体は体内にもとからある組織修復に有効な因子を表面に誘引する効果も期待され、成長因子を添加しないでも有効な組織再生が期待できると考えております。本研究は大阪歯科大学と共同研究のもとで進められており、迅速かつ確実な歯槽骨再生治療の実現を目指しています。

図1

図1 歯周組織再建のための薬剤徐放性ヘパリン表面処理多孔体。

論文など

  1. K. Matsuse; Y. *Hashimoto; S. Kakinoki; T. Yamaoka; S. Morita, Periodontal regeneration induced by porous alpha-tricalcium phosphate with immobilized basic fibroblast growth factor in a canine model of 2-wall periodontal defects, Medical Molecular Morphology, 51(1), 48-56 (2018)
  2. 2. N. Kobayashi1,Y. Hashimoto, A. Otaka, T. Yamaoka, *S.Morita, Porous alpha-tricalcium phosphate with immobilized basic fibroblast growth factor enhances bone regeneration in a canine mandibular bone defect model, Materials, 9(10), 853 (2016);
  3. 特願2013-094744, 出願番号PCT/JP2014/061771, 公告番号WO2014175445
  4. 米国出願PCT/JP2014/061771, EPC出願13849269.9
  5. Kakinoki S, Sakai Y, Fujisato T and Yamaoka T. Journal of Biomedical Materials Research, 103, 3790-3797 (2015)

最終更新日 2019年09月18日

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