国立研究開発法人国立循環器病研究センター 法人番号3120905003033
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ホーム > 各部のご紹介 > 生体医工学部 > ハイドロゲル注入による心筋梗塞治療法の開発
心臓を構成する筋肉(心筋)は、心筋細胞と呼ばれる細胞から成っています。ホ乳類の心筋細胞は増殖能に乏しく、心筋梗塞により心筋細胞が死んでしまった部分は、元通りには再生しません。現在、幹細胞や骨格筋芽細胞シートの移植による心筋再生の研究が進んでいますが、私たちは「ハイドロゲル」を心筋に注入する方法を用いて心筋再生に取り組んでいます。ハイドロゲルとは、三次元網目構造を持つ高分子が水を保持して膨潤した物質です。寒天やナタデココ、尿を保持したオムツの吸水剤などがハイドロゲルにあたります。私たちは、高分子の特性を生かし、また、高分子の設計を通じて、注射器を通して注入できるハイドロゲルを開発しています(図1)。さらに、硬さの調整や心筋再生を促進する物質の修飾などによる、ハイドロゲルの機能化にも取り組んでいます。
移植細胞のバンク化が未達成な現在、細胞移植療法では細胞の調達に時間がかかり、早期治療が肝心な心筋梗塞治療には課題が残っています。一方、ゲル注入療法ではハイドロゲルの調達・備蓄で済みます。また、カテーテルを通した注入も可能なため、現行のカテーテル治療との併用もできると考えています。本研究では、実現性・実用性の高い心筋梗塞救急治療法の提案を目指しています。
図1 心筋梗塞モデルラットの心臓にハイドロゲルを注入した。
最終更新日 2019年09月18日
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