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冠動脈疾患の一次予防・二次予防において、脂質低下療法は極めて重要な位置づけにあります。2017年の日本動脈硬化学会ガイドラインでは、冠動脈疾患の二次予防における脂質管理目標値として、ハイリスク患者(急性冠症候群・家族性高コレステロール血症・複数の危険因子を有する糖尿病患者など)では LDL-C<70mg/dLとすることが推奨されています。
さらに2019年のヨーロッパ心臓病学会ガイドラインでは、冠動脈疾患患者は 「超ハイリスク患者」と位置付けられ、その二次予防目標値はLDL-C<55mg/dL とすることが提唱されています。一次予防目標値に関しても、超ハイリスク患者ではLDL-C<55mg/dL、ハイリスク患者ではLDL-C<70mg/dLとされるなど、積極的な脂質低下療法を推奨する流れが明確になってきています。スタチンやエゼチミブに加えPCSK9阻害薬も利用可能となり、これらの薬剤を 活用した予後改善のための至適薬物治療の重要性が強調されてきています。