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国立循環器病研究センター 冠疾患科
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 
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コラム

Column

疾患・治療等コラム

最新のガイドラインに基づく至適薬物治療の実践のために(1)

PCI後の抗血栓療法はどうしたらよいか?

狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する経皮的冠動脈インターべンション(PCI)では、薬剤溶出性ステント(DES)が広く用いられています。第一世代 DESの登場後、遅発性ステント血栓症が大きな問題となりましたが、現在用いられている第二世代以降のDESでは、デバイスの改良に伴いステント血栓症は大幅に減少しました。これにより、DES留置後の2剤の抗血小板療法(DAPT)の期間短縮が可能となりました。一方、PCI後の出血イべントが死亡率の上昇と関連することが報告され、出血イベントの回避を目指したDAPT期間短縮化の流れが進んでいます。

2020年3月、日本循環器学会より「フォーカスアップデート版・冠動脈疾患患者における抗血栓療法のガイドライン」が発行されました。この中で、日本人の特性を考慮した日本版高出血リスク(high bleeding risk [HBR])基準が提唱され、HBR患者では(抗凝固薬服用がなければ)1~3ヶ月という短期DAPTとすることが推奨されました。非HBR患者でも、血栓リスクが低ければ1~3ヶ月、血栓リスクが高い場合は3~12ヶ月DAPTが推奨され、出血リスクを評価した上での短期DAPTの指針が明確に打ち出されました。なお、短期DAPT後の1剤の抗血小板療法では、P2Y12受容体拮抗薬を残す選択肢についても言及されています。抗凝固薬服用患者では、抗凝固薬にDAPTを加えた3剤併用療法は周術期のみ(2週間以内)とし、PCI後1年までは抗凝固薬にP2Y12受容体拮抗薬を加えた2剤併用療法を行い、1年以降は抗血小板薬を中止して抗凝固薬単独とする推奨が、近年の様々なエビデンスに基づく形で出されました。

日本版高出血リスク

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