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創薬オミックス解析センター

研究について
心内膜心筋生検試料のプロテオーム解析手法の確立と応用

各種心疾患の治療・診断法開発を目指した研究において、病態ごとに心臓組織の状態を分子レベルで詳細に把握することは非常に重要です。しかし、研究に利用できるヒト心組織試料は主に剖検心や移植時摘出心に限られるため、病態の進行や回復を反映した時系列情報の取得は難しく、この時系列情報を取得可能な唯一の手段が心内膜心筋生検試料を用いた解析です。生検試料を利用した大規模なタンパク質発現解析(プロテオーム解析)を実現できれば、病態の詳細な解析から新規バイオマーカー・創薬ターゲット探索まで、様々な研究の飛躍的な進歩が期待されます。本研究では、病理診断に用いた心内膜心筋生検試料の残余検体を用いたプロテオーム解析法の開発と応用を目指します。

1. 心内膜心筋生検試料のプロテオーム解析プラットフォームの構築

心内膜心筋生検試料の解析を実現するためには、極微量のホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 切片を解析する技術が必要不可欠です。これまでに、マウス組織切片1枚を用いてプロテオーム解析・リン酸化プロテオーム解析を行う手法を確立しており、今後はヒト心組織切片を用いてタンパク質発現解析とシグナルネットワークの変動解析を進める予定です。また、レーザーマイクロダイセクションなどで選択的に取得した、より微小な領域に着目した解析法の確立を目指します。

2. 病態解明と新規診断法・バイオマーカー・創薬ターゲット探索

拡張型心筋症などの重症心不全患者を対象とした左室補助人工心臓(LVAD)の装着例、心臓移植症例、各種診断に付随して行う心内膜心筋生検より取得した試料の残余組織等を用いて病態変化の時系列情報を取得します。各病態の進行・回復をタンパク質分子の変動としてとらえ、解析結果をもとに、新規治療・診断法の開発やバイオマーカー・創薬ターゲット探索を目指します。

関連研究費

① 文部科学省科学研究費 基盤研究(C)(研究代表者 若林真樹、R2-R4年度)「心内膜心筋生検試料のプロテオーム解析手法の確立と応用」

最終更新日:2021年09月21日

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