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特定行為研修

集合写真
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研修風景
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修了証
  • 特定行為研修制度とは

    厚生労働省ホームページ
  • センターの特定行為研修の特徴

     当センターは、2019年、厚生労働省から、ナショナルセンター初の指定研修機関として指定を受け、現在、11区分25特定行為の特定行為研修を開講しています。
     当センターで開講している特定行為研修は、循環器領域の高度先端医療を担う特定機能病院の特徴を活かし、重症かつ集中的な治療を必要とする患者さんに対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づいた初期対応と重症化の回避、早期回復支援を行う看護師を育成するために必要な特定行為区分を組み合わせた体系的なコース「重症集中管理コース」と受講希望者のキャリアや各施設のニーズに対応できるように11区分の特定行為区分を選択して受講できる「区分選択コース」の2つのコースで構成されています。
     当センターの特定行為研修は、以下の3つの強みにより質の高い教育を提供しています。
    1. 独立した組織による研修運営
      特定行為研修部という独立した組織を設置し、専任者が研修の企画から受講者支援まで一貫して担うことで、充実した教育体制を維持しています。
    2. 専門資格を持つ指導者との連携・協働
      専門医資格を持つ経験豊富な医師や専門・認定看護師といった専門性の高い指導者が、特定行為研修部と連携・協働することで、質の高い教育を実現しています。
    3. 実践的な学習環境
      センター内には、模擬病室やシミュレーターが完備されており、豊富な症例を活かした実習と組み合わせることで、実践的な学習を深く掘り下げることができます。これらの強みにより、受講者が安心して学び、確かなスキルを身につけられる環境を整えています。
  • センターが開講している
    特定行為区分

    特定行為(11区分25行為)

    NCVCで修得できる11の
    特定行為区分

    • 呼吸器(気道確保に係るもの)関連
    • 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
    • 循環器関連
    • 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
    • 血糖コントロールに係る薬剤投与関連
    • 術後疼痛管理関連
    • 循環動態に係る薬剤投与関連
    • 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連
    • 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連
    • 動脈血液ガス分析関連
    • 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
  • 特定行為研修概要

    1. 特定行為研修の特徴
       当センターは、循環器領域の高度先端医療を担う特定機能病院の強みを活かし、研修を構成しています。「重症集中管理コース」では、循環器関連の特定行為区分を中心に10区分を開講。さらに、急性期医療で頻度の高い1区分を追加し、合計11区分を開講しています。これらの研修を通じて、院内外の循環器領域を中心とした急性期医療の質向上に貢献します。
      心外膜ペーシングリード抜去演習
      高機能シミュレーター
    2. 特定行為研修理念・目的・到達目標
    3. 【理念】
      • 国立高度専門医療研究センターとして、高度な看護臨床教育を通じて、安全で質の高い医療に貢献することを目指す
      • 特定行為を実践する看護師としての責任と役割を自覚し、新たな臨床看護の発展に貢献できる看護師を育成する
    4. 【目的】
      • 高度医療や地域医療の現場で、特定行為を実践する看護師を育成することを目指す
      • 高度な臨床実践能力を発揮し、チーム医療のキーパーソンとして活躍できる看護師を育成する
    5. 【教育目標】
      • 高度医療及び地域医療の場において、特定行為に必要な臨床判断を包括的にできる能力(知識・技術・態度)を養う
      • 特定行為を適切なタイミングに、倫理的かつ安全に行える能力を養う
      • チーム医療のキーパーソンとして、多職種と協働して問題解決できる能力を養う
      • 医学的視点と看護学的視点を融合した新たな看護展開ができ、標準化する能力を養う
    6. 【到達目標】
      1. 共通科目
        • 多様な臨床場面において重要な病態の変化や疾患を包括的にいち早くアセスメントする基本的な能力を身につける
        • 多様な臨床場面において必要な治療を理解し、ケアを導くための基本的な能力を身につける
        • 多様な臨床場面において患者の安全に配慮しつつ、必要な特定行為を安全に実践する能力を身につける
        • 問題解決に向けて多職種と効果的に協働する能力を身につける
        • 自らの看護実践を見直しつつ標準化する能力を身につける
      2. 区分別科目
        • 多様な臨床場面において、該当特定行為を行うための知識、技術及び態度の基礎を身につける
        • 多様な臨床場面において、医師または歯科医師から手順書による指示を受け、実施の可否の判断、実施及び報告の一連の流れを適切に行うための基礎的な実践能力を身につける
  • 募集要項

    国循の医療・看護に触れることができるまたとない機会ですので、奮ってご応募ください!

    1. 受講資格
      1. 看護師免許を有し、看護師の資格取得後、通算5年以上の実務経験を有すること
      2. 所属する医療施設において臨地実習が行えること
      3. 所属する医療施設の長又は所属長の推薦を有していること
      4. 重症集中管理コース受講希望者は、集中治療室の経験年数が受講時点で最低1年以上あること
      *なお、当センターの看護師は、NCVCキャリアラダーレベルⅢ以上の認定を受けている者が望ましい
    2. 定員:10名
      ※栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連:4名(院内の特定看護師のみ)
       その他の特定行為区分:6名
    3. 研修期間
      1. 2026年4月~2027年3月の12ヶ月間
      2. 研修実施計画概要
        2026年4月開講式
        2026年4月~7月共通科目:講義(e-ラーニング)、演習・実習(当センターでの集合研修)
        2026年8月~10月区分別科目:講義(e-ラーニング)、演習・実技試験(当センターでの集合研修)
        2026年11月~3月区分別科目:臨地実習
        2027年3月修了式
    4. 特定行為研修のカリキュラム
       当センターで開講するカリキュラムは、重症かつ集中的な治療を必要とする患者に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づいた初期対応と重症化の回避、早期回復支援を行う看護師を育成するために必要な10区分の特定行為区分を組み合わせた体系的なコース「重症集中管理コース」と受講希望者の将来のキャリアや組織のニーズに応じて11区分の特定行為区分を選択して受講できる「区分選択コース」があり、2つのコースを選択することができます。ただし、「区分選択コース」においては、院外の受講希望者および当センターに在籍する看護師においては、専門看護師・認定看護師教育課程修了者および特定行為研修修了者のみを受講対象者とします(当センターに在籍する看護師は、上記対象者以外は重症集中管理コースの受講となります)。
       特定行為研修は、必須科目である「共通科目」と特定行為区分ごとに学ぶ「区分別科目」で構成され、就労しながら学習できるように講義はe-ラーニングで行い、演習・実習は専門資格を持つ医師・看護師等の指導者の下、当センターでの集合教育を行います。区分別科目の実習においては、特定行為ごとに5症例以上の臨地実習を義務づけ、関連する病棟での実習により経験を積み重ねて実践力を高めていきます。
       専門看護師・認定看護師教育課程修了者および特定行為研修修了者は、既に履修が終了している科目の中で、特定行為研修の共通科目と同等のカリキュラムであると認定された場合には、関連する共通科目の受講において全部又は一部の履修を免除し受講することができます。また、特定行為研修の受講前に共通科目の一部もしくは全部を履修している者についても、当センターにおける履修免除規程に則り履修免除が認定された場合には、当該科目の一部もしくは全部を免除し受講することができます。
      1. 共通科目の概要
        共通科目名時間数
        臨床病態生理学31時間
        臨床推論46時間
        フィジカルアセスメント45時間
        臨床薬理学45時間
        疾病・臨床病態概論42時間
        医療安全学/特定行為実践45時間
        合計時間254時間

      2. 区分別科目の概要(試験時間、実習前演習含む)
        *黄色:重症集中管理コース
        コース名 番号 区分別科目名 特定行為名 時間数
        区分選択コース 重症集中管理コース(10区分) 1 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 12時間
        2 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 侵襲的陽圧換気の設定の変更 32時間
        非侵襲的陽圧換気の設定の変更
        人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整
        人工呼吸器からの離脱
        3 循環器関連 一時的ペースメーカの操作及び管理 25時間
        一時的ペースメーカリードの抜去
        経皮的心肺補助装置の操作及び管理
        大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整
        4 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 19時間
        脱水症状に対する輸液による補正
        5 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 インスリンの投与量の調整 18時間
        6 術後疼痛管理関連 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 10時間
        7 循環動態に係る薬剤投与関連 持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 30時間
        持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整
        持続点滴中の降圧剤の投与量の調整
        持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整
        持続点滴中の利尿剤の投与量の調整
        8 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 抗けいれん剤の臨時の投与 28時間
        抗精神病薬の臨時の投与
        抗不安薬の臨時の投与
        9 栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 中心静脈カテーテルの抜去 8時間
        10 動脈血液ガス分析関連 直接動脈穿刺法による採血 22時間
        橈骨動脈ラインの確保
        11 栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 25時間
        合計時間数 229時間
    5. 研修場所:国立循環器病研究センター
    6.  当センター外の受講者の区分別科目の臨地実習は、研修修了後も継続した指導医による指導と安全な特定行為が実践できる施設基盤が重要であるため、自施設での実習を原則とします。したがって、外部施設からの受講希望者は、受講開始前までに安全な実習指導ができる体制(指導者、医療安全管理、緊急時の対応、患者への同意説明体制、必要症例数の確保等の要件を満たす体制)を整えることが可能か当該施設に確認させていただきます。また、上記の体制整備については、当センターの協力施設として必要書類を厚生局に提出する必要があり、当該施設は当センターと連携して必要書類を準備する必要があります。

    7. 研修受講料
      1. 重症集中管理コース
        共通科目受講料:323,000円、区分別科目受講料:495,000円の合計818,000円の受講料となります。なお、当センターに在籍する職員は、400,000円(税込み)を受講料とします。 *黄色:重症集中管理コース

      2. 区分選択コース
        共通科目、受講希望の区分別科目の金額(下記参照)の合計金額を研修受講料とします。
      科目名 区分 金額(税込み)
      当センター外受講希望者 当センター内受講希望者
      共通科目 323,000円 167,000円
      区分別科目 呼吸器(気道確保に係るもの)関連 38,000円 14,000円
      呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 81,000円 40,000円
      循環器関連 51,000円 27,000円
      栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 38,000円 27,000円
      血糖コントロールに係る薬剤投与関連 41,000円 27,000円
      術後疼痛管理関連 35,000円 14,000円
      循環動態に係る薬剤投与関連 59,000円 40,000円
      精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 57,000円 40,000円
      栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 26,000円 14,000円
      動脈血液ガス分析関連 69,000円 33,000円
      栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 44,000円 22,000円
    8. その他
      1. 区分別科目によっては、演習の材料費を別途請求することがあります。
      2. 研修に係る宿泊費及び交通費は受講者負担とします。
      3. 当センターに所属する職員は、別途定める規定に準じて受講料を請求します。
    9.  重症集中管理コース受講者は、特定一般教育給付金の助成金等の対象です。当該コース受講者は、研修開始前に所定の手続きを行うと、特定行為研修の修了後に、研修生本人が当センターに支払った教育訓練経費の50%相当額(上限25万円)が給付されます。手続きなど詳しくは、厚生労働省の各ホームページを参照して下さい。
      ※当センターに在籍する重症集中管理コース受講希望者については、上記の特定一般教育給付金の助成金に加え、特定行為研修に係る研修費用貸付金制度を利用することができます。希望の方は、一般VDI:特定行為研修に格納している実施要綱を確認の上、本制度の利用希望の有無について、出願提出書類様式1-2に記載してください。なお、区分選択コースを受講の方は、教育訓練給付制度は対象となりません。
    10. 厚生労働省ホームページ

    11. 受講申請・選考方法

    12. 出願提出書類:
      下記の1. 2. 3.及び様式1~5の書類を提出してください。様式1~5の書類については、所定の様式をダウンロードし、申請書類記載要領に則って出願の手続きをしてください。提出された書類は返却いたしません。

      1. 看護師免許証(写し)
      2. 専門看護師認定書(写し)・認定看護師認定書(写し)又は特定行為研修修了書(写し)
         ※資格のある者のみ
      3. 日本看護協会看護師賠償責任保険などの賠償責任保険に加入していることが確認できる書類(写し)
    13. 申請書類
    14. 出願書類提出方法
      角型2号封筒の表に「特定行為研修受講申請書類在中」と朱書きの上、受講申請書類と審査合否結果送付用封筒を「簡易書留」で下記まで郵送してください。
      ※審査合否結果送付用封筒
       角形2号封筒に、封筒の表に送付先の住所・氏名を明記し、返信用の郵送料及び簡易書留料金に相当する額の切手を貼付したもの

      *重症集中管理コースの方:基本料金150g以内+簡易書留
       区分選択コースの方  :基本料金50g以内+簡易書留    コース別に必要金額分の切手を貼付してください。


      【あて先】
      〒564-8565 大阪府吹田市岸部新町6番1号
      国立研究開発法人国立循環器病研究センター 特定行為研修部 特定行為研修管理室

    15. 出願期間
      2025年12月8日(月)~2026年1月5日(月)必着
    16. 審査納付方法
      1. 審査料:10,000円(消費税込み)
        (当センターに在籍する特定行為研修修了者(特定看護師)は審査料不要)
      2. 納付期限:2025年12月8日(月)~2026年1月5日(月)
      3. 【振込先】
        銀行名:三菱UFJ銀行 支店名:大阪公務部 店番:100
        預金種別:普通 口座番号:0001272
        口座名義:国立研究開発法人 国立循環器病研究センター
        • *振込名義は、受講者本人の名義のあとに「トクテイコウイ」と入力して下さい。振込み手数料は受講者負担となります。
           既納の審査料は、原則として返還できませんのでご了承ください。「振込受領書」をもって審査料の領収書とします。
    17. 選考方法
      1. 選考方法:書類審査、筆記試験、面接(*当センターに在籍する特定看護師は書類審査のみ)
      2. 日 時:2026年1月15日(木)13:00~
      3. 場 所:国立循環器病研究センター(集合時間・場所は別途本人に通知します)
      4. 合否発表:2026年2月9日(月)までに 本人宛に合否結果を簡易書留にて郵送します。電話やFAXでの合否の問い合わせは応じられません。
  • 特定行為研修の様子

    フィジカルイグザミネーション演習
    フィジカルイグザミネーション演習
    医療面接演習
    医療面接演習
    侵襲的陽圧換気の設定の変更演習
    侵襲的陽圧換気の設定の変更演習
    侵襲的陽圧換気の設定の変更演習
    侵襲的陽圧換気の設定の変更演習
    ECMOの操作及び管理演習
    ECMOの操作及び管理演習
    PICC挿入演習
    PICC挿入演習
  • 指導医メッセージ

    • 南 公人
      集中治療科医長(ICU)
      南 公人

      国立循環器病研究センターでは2019年度より看護師特定行為研修を開始し、2025年3月時点で合計35名の特定看護師を輩出しています。そのうち9名が外科系集中治療室(ICU)に配属されており、呼吸器、循環器、栄養および水分管理連、血糖コントロール、精神および神経症状、疼痛管理において特定行為を実践しています。特定看護師の方々には、研修を通じて得た知識、思考力、判断力を基に、専門知識と技術をもってチーム医療を円滑に進める中心的役割を担ってもらっております。当ICUは年間約1500名の入室患者を誇る日本屈指のHigh volume centerであり、循環器疾患を持つ患者さんの病態把握に関し豊富な経験を積みながら研修を行うことができます。未来のチーム医療を担う皆様のご応募をお待ちしております。

    • チーム医療の重要性が認識される一方で様々な問題点も指摘されている昨今、日常業務において効率的かつ上質な医療の提供ができているのか、疑問に思うこともあるかと思います。有効なチーム医療を実現するための障害の一つに、各職種間で「互いの思考過程の理解が不十分である」ことが挙げられています。特定行為看護師は、他職種の業務を共有し効率的な医療を提供することのみならず、「医師と看護師の思考過程を双方ともに理解し共有することができる」ので、チーム医療においてこれまでにない貴重な役割を担います。特定行為研修を通して医師の思考過程を理解し、日常の看護業務を今以上に洗練するとともに、チームの中で各職種間の架け橋となるキーパーソンとして、効率的かつ上質な医療を実現しましょう。

      真玉 英生
      循環器専門医(CCU)
      真玉 英生
    • 小倉 健紀
      集中治療科医長(NCU)
      小倉 健紀

      脳神経外科診療において、周術期管理は非常に重要です。患者さんの状態をよく観察し、刻々と変化する病状に柔軟に対応する必要があります。看護スタッフをはじめとするコメディカルとの連携が大切であり、いわゆる病院の“総合力”が試される領域といえます。当科には特定行為研修を習得した看護スタッフがチームに加わるようになり、変動していく種々の病態に対し早期かつこまめに対応できる場面が増えました。また、医師と建設的なディスカッションをする機会も多くなり、診療の質も向上してきていると実感しています。当センターは、“総合力”が試される症例が多く、活躍の場は無限です。ぜひ未来の脳神経外科診療を一緒に作りましょう。

    • 重症かつ集中治療を要する患者さんには、高率にせん妄などの精神疾患が合併することが知られています。患者さんと意思疎通が図れず苦手意識を持ってしまった経験に心当たりがあるかたもいるかもしれませんが、精神症状として医学的看護的観点から捉えることも重要です。NCVCの特定行為研修では、不安や不穏・せん妄を中心に、面で接する看護師だからこそできる非薬物的マネジメントを行った上で臨時薬剤投与を検討していきます。皆さんが持ち場で実践を重ねながら、精神科リエゾンチームでメンタルケアスキルそして多角的視点を磨きながらチーム医療を推進し、ひいては患者さんへ提供する医療の質の向上につながることを願っています。

      疇地 道代
      精神科専門医
      疇地 道代
  • 特定看護師の活動

    特定看護師の役割

    • 医師の判断を待たずに、手順書により認定を受けた診療の補助を行う
    • 急性期、慢性期あるいは療養の場を問わず、専門性を発揮することで、チーム医療のキーパーソンとしての役割を担う
    • 特定行為の実践を振り返り、必要となる手順書の評価、修正、実践上の運用について関係者間で調整する
    • 各々の専門領域、及び特定行為に関連する研修、実習において指導者として教育的役割を担う

    特定看護師の活動

     当センターは、2019年から特定看護師の育成を開始し、これまでに多くの修了生を輩出してきました。現在、集中治療室をはじめとする各部署に複数名の特定看護師を配置し、センター独自の「屋根瓦方式」のメンタリング活動を推進。経験豊富な先輩特定看護師が、後輩を丁寧にサポートし、特定行為の実践とチーム医療の推進を共に学び、成長できる環境を整えています。このような環境で、特定看護師は自部署の患者さんに対する特定行為の実践と、チーム医療の推進者として患者さんの早期回復・重症化回避に貢献しています。さらに、RRT(院内迅速対応チーム)やRST(呼吸サポートチーム)といった組織横断的な活動を通じて、病院全体の医療の質向上を牽引しています。
     特定看護師は、「患者さんにとって最善の医療は何か」を常に考え、行動する、当センターにとって不可欠な存在です。専門的な知識と技術で患者さんに寄り添い、安心と質の高い医療を届けるために、日々、チーム医療推進者として活躍しています。

    侵襲的陽圧換気の設定の変更
    侵襲的陽圧換気の設定の変更
    IABP調整
    IABP調整
    RSTラウンド
    RSTラウンド
    精神科リエゾンチーム活動
    精神科リエゾンチーム活動
    ペースメーカ管理
    ペースメーカ管理
  • 特定看護師メッセージ

    • 山内 雄太
      1期生
      山内 雄太

      特定行為研修1期生として修了から5年が経過し、現在は心臓外科系一般病棟で活動しています。研修で培った臨床推論能力や病態判断能力は一般病棟でも役立ち、多くのスタッフからコンサルトを受けています。また、RSTやRRTといった組織横断的活動にも参画し、チーム医療を通して組織に貢献することができ、充実した日々を送っています。当センターでは、特定看護師間のメンタリング活動が推進されており、現在、1期生として、特定看護師のキャリア支援体制の整備としてメンタリング活動の推進、ラダー制度の構築に取り組んでいます。今後は、特定看護師全体の質の向上を目指し、院内外への情報発信など活動の幅を広げ、変革者としてリーダーシップを発揮していきたいと思います。

    • 脳血管外科集中治療室で活動しています。脳卒中急性期は病型や部位により病態が急激に進行し致死的な状態に陥ることや、意識障害や麻痺・失語など数値には表れない症状の微細な変化の観察が重要となることから、高い臨床推論力と身体診察能力が求められます。これらのスキルを活かし、患者さんの合併症予防と早期回復、日常生活の再構築に向けて多職種と協働しながら役割発揮に努めています。また、修了から4年が経過し、後輩育成や後方病棟との連携・協働も重要な役割となりました。自身の観察や実践が患者さんの予後改善に直接つながることに加え、チーム医療の推進者として後方病棟も含めたチーム全体の看護レベルの向上に対する中心的な存在として役割発揮できることにやりがいを感じています。

      池田 美香
      2期生
      池田 美香
    • 菊池 仁孝
      5期生
      菊池 仁孝

      私が所属する心臓血管内科集中治療室は、生命の危機にある循環器疾患患者さんを救うため、救急搬送から集中治療、そして回復までの道のりを一貫してサポートしています。特定看護師として大切にしている事は、患者さんのわずかな変化も見逃さないことです。その小さな兆候こそ、異常の早期発見と重症化を防ぐための鍵となります。培った臨床推論力を駆使し、タイムリーに多職種と情報や思考を共有することで、最高のケアをチームで探求し、実践していく。この協働のプロセスこそが、私にとって大きなやりがいとなっています。これからも、特定行為の実践の際には、十分な安全確保と実践後の評価を忘れずに、患者さん一人ひとりに最高のケアが提供できるようにスキルを磨き、愛される特定看護師として日々成長し続けたいと思います。

    • 心臓血管外科集中治療室において、特定看護師として補助循環や人工呼吸器の設定変更を中心に実践しています。当ICU病棟は、平日2名の特定看護師が配置され、特定看護師が多職種連携の要として精神科リエゾンチームとしての活動を担っています。昨年研修を修了したばかりですが、先輩の特定看護師や多職種と連携しながら思考プロセスを共有することで、日々実践的な知識やスキル、組織横断的な役割発揮について学びを深めています。早期抜管など目に見える身体的回復に繋げられた時はもちろん、挿管管理下で苦痛の表出が困難な患者さんの表情が和らいだり、病状回復を患者さんと共有できたとき、包括的な臨床判断に基づいたケアの重要性を感じ、やりがいを実感しています。

      小林 早紀
      6期生
      小林 早紀
  • お問い合わせ・アクセス

    問い合わせ先

    審査に対する問い合わせ先

    国立研究開発法人 
    国立循環器病研究センター

    特定行為研修部 
    特定行為研修管理室長:高田 弥寿子

    TEL:06-6170-1069(内線60428)  
    E-mail:ytakada@ncvc.go.jp

    当センターまでのアクセス

    • 飛行機をご利用の方:
      伊丹空港から約30分
    • 電車をご利用の方:JR「新大阪」駅から京都線で「岸辺」駅下車 約7分
               JR「大阪」駅から京都線で「岸辺」駅下車 約12分
    当センターまでのアクセス

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