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大阪大学微生物病研究所との連携協定の締結

―循環器病と感染症の関連性解明に向けて―

国立循環器病研究センター(略称:国循)と大阪大学微生物病研究所(略称:阪大微研)は、循環器病発症の原因、病態、病気の進行に感染症がどのように関係するか明らかにし、原因不明の循環器病を一つでも減らすことを目指して連携協定を締結しました。国循が高度専門医療施設としてこれまで蓄積してきた循環器病に対する豊富な知識や情報、阪大微研が感染症研究で培ってきた技術、高い解析能力を融合することにより、循環器病に対する新しい診断・治療法の開発、更には生活習慣病に対する新たな予防法の開発が期待されます。

循環器病は、遺伝子の変異を原因とするもの、喫煙や偏った食事や飲酒、運動不足、ストレスなどの生活習慣の積み重ねを原因とするもの、細菌やウイルスなどの感染を原因とするものなど、様々な原因により引き起こされることが知られています。特に感染が原因で引き起こされる循環器病の中には、心筋炎や感染性心内膜炎などの重症疾患も知られ、歯科治療の後に抗生物質が処方されるのは、口腔内細菌の循環器系への侵入阻止という意味もあります。感染症は身近に起こり得る循環器病の原因の1つですが、どの病原体が循環器病を引き起こしたか、明確にわかる例は非常に限られています。最近では、腸内フローラや口腔細菌の状態が生活習慣病や循環器病のかかりやすさと関係しているのではないかと考えられ、研究が始められています。

国循は、循環器病制圧に取り組むナショナルセンターとして、脳卒中や心臓病等の循環器病の発症原因の究明を目的として、研究所と病院が一体となって最先端の研究を推進しています。これまで、高血圧症、脳血管疾患、マルファン症候群等の血管疾患と遺伝子変異の関係を次世代シーケンサなどの最新技術を用いて解析し、1989年からは大阪府吹田市の一般住民を対象とした大規模な「都市型疫学研究(吹田研究)」を行い、様々な生活習慣と循環器病のかかりやすさについて研究を行ってきました。

阪大微研は、微生物病の学理を明らかにすることを目的に、新たな病原微生物の発見とその発症機構や防御機構の解明、ワクチンや診断法の開発を通して、感染症の征圧に大きく貢献してきました。

感染症も循環器病を引き起こす大きなリスクとして認識されてきた現在、循環器病と感染症の関連性を明らかにし、治療法を確立することは、国循と阪大微研の共通の目標です。国循と阪大微研が、相互の知的・物的資源並びに情報の交流と活用を加速し、連携・協力することは、双方の研究促進に大きく寄与すると考え、今回の連携協定締結に至りました。今後、循環器病の原因としての細菌やウイルスといった病原体同定に協力するのみならず、循環器病を引き起こす遺伝子変異、遺伝子発現や転写物の異常の発見、腸内フローラや口腔内細菌叢の変化と生活習慣病、循環器病の関連性などについて、詳細な解析を協力して実施して参ります。

最終更新日 2017年04月12日

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