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ブルガダ症候群における突然死の遺伝的リスクに関する国際共同研究

ブルガダ症候群(BrS)には心筋Naチャネル遺伝子SCN5Aのほか21個の関連遺伝子が報告されていますが、遺伝子判明率は20%以下と低いのが現実です。また男女比8:1という男性優位性や東アジアに好発する理由は不明です。日欧共同のゲノムワイド関連解析(GWAS)から、BrSに特徴的なST上昇に関連する感受性SNP(一塩基多型)がSCN10A, SCN5A, HEY2に同定されました1。しかし、BrSにおける突然死のリスクとして確立しているのは唯一、失神と致死性不整脈の既往だけで、ハイリスク患者を発症前に見出し突然死を予防する確実な手段はありません。

これらの問題を解明するために、2015-2017年度のAMED(オーダーメイド医療の実現プログラム「心臓突然死の発症リスク遺伝子の解明と層別化システムの構築」、研究代表者:蒔田直昌)で、全国からSCN5A変異陰性のBrSを300例集積して全エクソン解析を行いました。また、746人のBrSと健常人1146人でGWASを行い、2013年のGWASで同定した3つのSNP以外に2つのSNPを同定しました。これら5つのBrS関連SNPは台湾人・フランス人のコホートでも確認することができました。さらに、突然死の遺伝的リスクを解明するために、心室細動(VF)既往ありのBrSと無症候BrSでサブ解析を行い、4つのSNPがKaplan-Meier生存解析で早期のVF発症と有意に関連することが判明しました。現在、フランス人、台湾人、タイ人のBrSコホートでメタ解析を行っています。

関連研究費:

  • ① AMEDオーダーメイド医療の実現プログラム(研究代表者 蒔田直昌、H27~29年度)「心臓突然死の発症リスク遺伝子の解明と層別化システムの構築」
  • ② 文部科学省科学研究費 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))(研究代表者 蒔田直昌、H30~R2年度)「人種特異性に着目したゲノム解析による原因不明の心臓突然死の病態解明」
  • ③ 文部省科学研究費若手(研究代表者 石川泰輔、H30~R2年度)「ブルガダ症候群研究の新展開:ゲノムによる突然死リスク予測と線維化機序の解明」
  • ④ 日本循環器学会基礎研究部会研究助成金(研究代表者 石川泰輔、H30~R1年度)「ブルガダ症候群における突然死関連ゲノム因子と遺伝子発現パターン異常の解明」

関連業績

  1. Bezzina CR, Barc J, Mizusawa Y, Remme CA, Gourraud J-B, Simonet F, Verkerk AO, Schwartz PJ, Crotti L, Dagradi F, Guicheney P, Fressart V, Leenhardt A, Antzelevitch C, Bartkowiak S, Schulze-Bahr E, Zumhagen S, Behr ER, Bastiaenen R, Tfelt-Hansen J, Olesen MS, Kaab S, Beckmann BM, Weeke P, Watanabe H, Endo N, Minamino T, Horie M, Ohno S, Hasegawa K, Makita N, Nogami A, Shimizu W, Aiba T, Froguel P, Balkau B, Lantieri O, Torchio M, Wiese C, Weber D, Wolswinkel R, Coronel R, Boukens BJ, Bezieau S, Charpentier E, Chatel S, Despres A, Gros F, Kyndt F, Lecointe S, Lindenbaum P, Portero V, Violleau J, Gessler M, Tan HL, Roden DM, Christoffels VM, Marec HL, Wilde AA, Probst V, Schott JJ, Dina C, Redon R. Common variants at SCN5A-SCN10A and HEY2 are associated with Brugada syndrome, a rare disease with high risk of sudden cardiac death. Nat Genet. 2013;45:1044-1049.

最終更新日 2019年07月24日

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