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動脈硬化

1. 動脈硬化とは

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動脈が 強く弾力性に富んでいれば、心臓や脳を始めとする、すべての臓器や筋肉などの組織へ、必要な酸素や栄養の供給は順調に行われます。

しかしコレステロールなど血液の脂質が、いつとはなしに動脈にたまったり(プラーク)、酸素や栄養が不足したり、高血圧があっていつも血管に負担がかかったり、色々の原因が重なって動脈の新しい細胞が作られなくなってくると、動脈は弾力性を失い固く、もろくなってしまいます。また、プラークの表面が破れると血栓ができ、時にはそのために血管がつまってしまい心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。こういった状態が動脈硬化と呼ばれるものです。

人間の体内でなぜ動脈硬化が起こるのかは、まだ完全に分かっていません。今日までに分かっているのは、動脈硬化がすでに10代から始まること、そして、40歳を過ぎる頃に症状がぼつぼつ現れてくることです。

動脈硬化が進んだり、それがもとで心臓病や脳卒中になる原因を「危険因子」と言いますが、その主なものは次に挙げるものです。

  1. 高血圧
  2. コレステロールを始めとする血液の脂質の異常
  3. 糖尿病
  4. 加齢(男性:45歳以上、女性:閉経後)
  5. 喫煙
  6. 肥満
  7. 運動不足
  8. 感情的なストレスに満ちた状態
  9. 偏った食事内容
  10. 嗜好品(アルコール、コーヒー、紅茶)

2. 動脈硬化の起こりやすい部位と病気

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主要な動脈群で動脈硬化の起こりやすい部位をあげると、大動脈、脳動脈、冠動脈、心臓、脾動脈、腎動脈などの順になります。

3. 血液中のコレステロール、中性脂肪

(1)高脂血症の診断基準

高脂血症は、異常値のある成分によって診断基準が設定されています。総コレステロール値が220mg/dl以上の場合は、高コレステロール血症、LDLコレステロール値が140mg/dl以上の場合は、高LDLコレステロール血症、トリグリセライド値が150mg/dl以上だと、高トリグリセライド血症といいます。また、HDLコレステロール値が40mg/dlより低いと低HDLコレステロール血症といいます。

高脂血症の診断基準(血清脂質値:空腹時採血)

高コレステロール血症 総コレステロール ≧220mg/dl
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール ≧140mg/dl
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール <40mg/dl
高トリグリセリド血症 トリグリセリド ≧150mg/dl

2002年 日本動脈硬化学会より改編

※LDLコレステロール(mg/dl)
(悪玉コレステロールとも呼ばれ動脈硬化の原因となります)
※HDLコレステロール(mg/dl)
(善玉コレステロールとも呼ばれ動脈硬化の予防に役立ちます)

(2)高脂血症の治療目標値

糖尿病や肥満、甲状腺機能低下症、腎臓病などの原因が認められるときは、まず、これらの病気を治すことが重要です。これらの原因となる病気の治療を十分に行っても、高脂血症が改善されない時や、生活習慣や体質が原因となっていると考えられるときには、高脂血症自体に対しての治療が必要になります。この治療の時に目標とする適正なコレステロール値は、患者さんによって、心臓病や糖尿病などの合併症を持っている場合がありますので、治療目標値は変わることがあります。

例えば、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)を持っている人は、LDLコレステロールは、100mg/dl以下、総コレステロールは、180mg/dl以下にすることが一つの目標になっています。また、冠動脈疾患はないけれども糖尿病を合併している人は、LDLコレステロールは、120mg/dl以下、総コレステロールは、200mg/dl以下にすることが一つの目標になっています。

患者をLDLコレステロール値以外の主要冠危険因子の数により分けた6群の患者カテゴリーと管理目標値

患者カテゴリー脂質管理目標値(mg/dl)その他の危険因子の管理
冠動脈疾患 **他の主要冠危険因子 TC LDL-C HDL-C TG 高血圧 糖尿病 喫煙
なし <240 <160 ≧40 <150 高血圧学会のガイドラインによる 糖尿病学会のガイドラインによる 禁煙
B1 <220 <140
B2
B3 <200 <120
B4 4以上
あり <180 <100

(TC:総コレステロール、LDL-C:LDLコレステロール、HDL-C:HDLコレステロール、TG:トリグリセリド)

*冠動脈疾患とは、確定診断された心筋梗塞、狭心症とする。
**LDL-C以外の主要冠危険因子
加齢(男性≧45歳、女性≧55歳)、高血圧、糖尿病、喫煙、冠動脈疾患の家族歴、低HDL-C血症(<40mg/dl)

  • 脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の合併はB4扱いとする。
  • 糖尿病があれば他に危険因子がなくともB3とする。
  • 家族性高コレステロール血症は別に考慮する。


    -2002年日本動脈硬化学会より改編-

最終更新日 2011年11月04日

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