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(※1)(※2)〈引用〉 (※1) Saver JL. Time is brain--quantified. Stroke. 2006;37:263–6. (※2) Al-Shahi Salman R, et al. Lancet Neurol. 2018;17:885-894.適応が確認されれば治療が可能です。Time is Brainとは■ 治療は時間勝負!●脳卒中を疑ったら、すぐに救急車を! ●脳卒中の警告サインとFASTについて知りましょう■ 時間短縮の重要性すぐに救急車を!P21参照急性期脳出血では、発症後3時間までに血腫が拡大しやすいです。このため、この時間帯での治療が重要です。血腫拡大を抑えることが、後遺症を軽くする鍵として治療開発のターゲットとなっています。そのため、発症からすぐに血圧を下げること、脳浮腫を抑える薬を使う治療などが重要です。また、抗止血薬が脳出血治療薬として現在開発されていて、注目されています。このように「Time is Brain」という概念は、脳卒中治療の根幹にあり、迅速な対応が患者さんの未来を左右する重要な指標となっています。●脳卒中専門病棟(Stroke Unit)の整備、緊急搬送体制の強化も欠かせません55SECTION脳卒中では、時間が経つほど脳細胞が損傷します。血管が詰まって脳の血流が止まると、血液からの酸素や栄養が届かなくなり、脳細胞が死んでしまいます。この際、特に治療によって酸素が足りなくなっている状態の脳細胞を少しでも多く救うことが治療の目標です 。急性期脳梗塞では、治療が1 分遅れるごとに約190 万個の脳細胞が失われます。1時間あたりでは約120億個の脳細胞が失われます。治療の遅れは脳機能の回復の程度に直接結びつき、社会復帰や生活の質(QOL)に大きく影響します。急性脳梗塞の治療のタイムリミットは発症後 数時間〜最大24時間まで静注血栓溶解療法(tPA治療)現在、発症後4.5時間以内の患者が対象ですが、発症時刻が不明で目撃者がいない症例でも、画像診断で血管内治療(機械的血栓回収療法)発症後24時間以内の一部の患者にも適応され、閉塞血管が同定されれば、その有効性が確認されています。脳卒中は時間との勝負です。治療が早いほど脳のダメージを減らせるため、少しでも異変を感じたらすぐに病院へ!脳卒中治療における時間の重要性イズタイムブレイン“ Time is Brain ” 0202

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