新しい治療方法や診断方法、医薬品や医療機器を開発するため、それらによって今までよりも優れた効果が得られるのか、悪影響はないかなどを調べるために、患者さんの協力を得て実施する研究を、「臨床試験」といいます。例えば、実際に患者さんに新しい薬を使ってみて、その薬の効果や安全性を確かめるような研究です。新しい治療方法等は、実際に患者さんに使う前に、長年かけて開発し、動物実験などによって有効性や安全性を入念に確かめられます。また、事故が起こらないよう、国の定めたルールに基づいて、綿密な計画を立てて実施しています。臨床試験に参加される患者さんの安全は最優先です。試験を実施する際には、参加される患者さんに及ぶ危険性が最も小さく、受けられる利益が最も大きくなることが求められます。未来の患者さんにも役立つ技術の進歩が得られなければなりません。そのため、臨床試験の計画は、倫理的にも科学的にも妥当な内容になっているか、第三者によって評価されます。患者さんや家族は、説明文書で試験の内容や危険性などについて説明を受けます。試験の意義を十分に理解した上で、自由な意思で試験に参加し、一旦参加した後で同意を撤回することも可能です。1010SECTION臨床試験とは安全性が最優先現在使われている治療方法等も、「臨床試験」によって効果や安全性を確かめられてから、広く実施されるようになっています。新しい技術を開発するためには、「臨床試験」は不可欠なのです。患者さんの協力を得て実施する研究臨床試験について考える0303
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