KOKUJUN Press No58
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1血栓回収療法(脳梗塞再開通療法)2脳動脈瘤治療02KOKUJUN Press脳神経外科HPTreatmentTreatment 不整脈が原因で心臓内にできた血栓(血の塊)が、脳の血管を閉塞させ脳梗塞を発症します。この血栓をカテーテル治療で回収してしまう治療を、「血栓回収療法」といいます。 脳血管の壁が脆弱化してコブ状に膨らんだ脳動脈瘤に対しては、カテーテル治療を第一選択として行うことが一般的となってきました。殆どの脳動脈瘤は破裂しなければ無症状ですが、破裂すればくも膜下出血という重篤な脳卒中を発症します。国循では、破裂動脈瘤の約80%を「コイル塞栓術」で治療しています。「コイル塞栓術」とは径約1mmのカテーテルという細い管を太ももの血管から動脈瘤内まで挿入し、コイルというプラチナ性の柔らかい糸のような金属を動脈瘤内に充填し、動脈瘤内への血流を遮断します。 硬膜動静脈瘻や脳動静脈奇形も含め、脳血管疾患に対するカテーテル治療は年々増加傾向にあります。しかし、開頭手術や放射線治療に適した病態もありますので、国循は先進的な脳血管内治療、開頭手術、放射線治療を提供できるように心掛けています。 発症から早期に治療を開始することが重要であり、国循では救急隊の搬送連絡から速やかに治療の準備を開始し、患者さんが到着してから約40-50分で治療を開始できる体制を整えています。 また、動脈硬化が進行することで脳の血管が閉塞し脳梗塞をおこすアテローム血栓性脳梗塞に対しては、全国約10施設で臨床試験を行なっている新規医療機器を使用して再開通を試みています。 また、破裂する前に未破裂脳動脈瘤が見つかった場合にも、破裂率が高いと判断すれば同様の治療もしくは開頭手術を行います。動脈瘤によっては、動脈瘤が存在する血管にフローダイバーターステントという管を留置するだけで、動脈瘤を閉塞させる治療も行なっています。ステントコイルステントリトリーバー脳動脈瘤血栓回収術コイル塞栓術脳神経外科58

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