KOKUJUN Press vol.52
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ロス手術〈専門領域〉大動脈外科、弁膜症外科、末梢血管外科、肺動脈外科〈専門医資格〉医学博士、心臓血管外科専門医、心臓血管外科修練指導医、外科専門医、日本胸部外科学会指導医、日本外科学会指導医、胸部・腹部ステントグラフト指導医大動脈基部の手術を受けることを勧めています。また妊娠すると周産期・産褥期に大動脈解離のリスクが高くなるため、遺伝性大動脈疾患のある女性が妊娠を希望される場合には40mmで大動脈基部の手術を受けてから、計画的に妊娠することが推奨されています。3.ベントール手術、自己弁温存大動脈基部置換術、 ロス手術、ホモグラフト(同種心臓弁・血管) 大動脈基部を人工弁と人工血管を用いて完全に置換して、左右の冠動脈を再建する手術がベントール手術で、1968年に報告された標準的な大動脈基部の手術方法です。どのような病気に対しても行うことができますが、塞栓症やそれを防ぐための抗凝固薬による出血、感染や耐久性の問題などの人工弁に関連した合併症や生活の制限が課題です。〈専門領域〉心臓血管外科 後天性心疾患〈専門医資格〉日本外科学会外科専門医・指導医、心臓血管外科専門医・修練指導者、日本移植学会移植認定医、日本組織移植学会認定医、植込型補助人工心臓実施医、日本再生医療学会認定医、日本臓器移植ネットワーク・メディカルコンサルタント副院長血管外科 部長 松田 均HitoshiMatsuda心臓外科 部長 福嶌 五月SatsukiFukushima血管外科 医長 井上 陽介Yosuke Inoue大動脈肺動脈自己肺動脈弁を大動脈に移植〈専門領域〉大動脈外科、肺動脈外科、冠動脈外科、弁膜症外科、末梢血管外科、血管内治療〈専門医資格〉医学博士(京都大学)、外科専門医、心臓血管外科専門医、心臓血管外科修練指導医、胸部ステントグラフト実施医・指導医、腹部ステントグラフト実施医・指導医代用弁を肺動脈に移植 国循では大動脈弁が正常である場合や病変が修復可能な程度である場合には、感染に強く、耐久性のある自分の大動脈弁を温存した自己弁温存大動脈基部置換術(デービッド手術)を行っています。人工弁に関連した合併症を回避することができるので、若い人や妊娠を希望している場合には大きなメリットがあります。ベントール手術よりも複雑で時間もかかる手術ですが、マルファン症候群の急性大動脈解離の緊急手術でも積極的に行なって長期的な課題を減らすようにしています。 一方、大動脈弁狭窄や修復できない大動脈弁閉鎖不全がある場合には、ベントール手術の他に人工弁の代わりに自分の肺動脈弁を用いるロス手術を行っています。国循では70歳以下の患者さんに限って行なっており、大動脈弁に用いた肺動脈弁は、国循のホモグラフトバンクに凍結保存されている肺動脈弁ホモグラフトを移植して再建します。ロス手術も人工弁を使わないので人工弁に関連した合併症や生活の制限がありません。術後(国循では小児心臓外科でもロス手術を行なっています。) さらに、国循のホモグラフトバンクには、大動脈弁ホモグラフトも凍結保存されています。大動脈弁輪部膿瘍に対する手術では感染の再発を防ぐ効果が高い大動脈弁ホモグラフトを積極的に使用しています。術前血管外科心臓外科心臓血管外科  輸血管理部  病理部

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