KOKUJUN Press vol.52
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はじめにはじめに 大動脈基部は、心臓の出口(左室流出路)に続く大動脈の根元の部分で、膨らみを持ったバルサルバ洞と呼 大動脈基部は、心臓の出口(左室流出路)に続く大動脈の根元の部分で、膨らみを持ったバルサルバ洞と呼ばれる部分に、心臓から大動脈に向かって押し出された血液の逆流を防ぐ大動脈弁と心臓の筋肉に血液を送ばれる部分に、心臓から大動脈に向かって押し出された血液の逆流を防ぐ大動脈弁と心臓の筋肉に血液を送る左右の冠動脈があります。る左右の冠動脈があります。 全身の血液の循環の始まりである大動脈基部の手術が必要になるような病気は、重篤な病気であり、難度の 全身の血液の循環の始まりである大動脈基部の手術が必要になるような病気は、重篤な病気であり、難度の高い手術が必要になります。国循の心臓血管外科で行われている大動脈基部の手術実績は、日本だけでなく高い手術が必要になります。国循の心臓血管外科で行われている大動脈基部の手術実績は、日本だけでなく世界的にも知られています。大動脈基部の手術としては人工血管と人工弁を用いた置換術(ベントール手術)世界的にも知られています。大動脈基部の手術としては人工血管と人工弁を用いた置換術(ベントール手術)がよく行われていますが、国循では人工弁に関連した合併症や生活制限を回避するために、人工弁を使わがよく行われていますが、国循では人工弁に関連した合併症や生活制限を回避するために、人工弁を使わない手術を推奨しています。ない手術を推奨しています。特集011.大動脈基部の手術が必要になる病気 大動脈弁二尖弁・遺伝性結合組織疾患・高安動脈炎などに併発する大動脈弁輪拡張症やバルサルバ洞動脈瘤のほか、急性大動脈解離の大動脈基部への進展や大動脈弁輪膿瘍などで大動脈基部の手術が必要になります。 大動脈弁輪拡張症やバルサルバ洞動脈瘤では、大動脈弁閉鎖不全が重症(有症状)であればバルサルバ洞径45mm、大動脈弁閉鎖不全が軽症〜中等症であればバルサルバ洞径50mmで手術適応になります。一方、急性大動脈解離や大動脈弁輪膿瘍における大動脈基部の病変は様々であり、最終的には手術中の判断で適応が決定されますが、手術リスクが大変高い病態です。2.遺伝性大動脈疾患 マルファン症候群に代表される遺伝性大動脈疾患では、大動脈基部の手術が必要になる場合が多くあります。大動脈基部が拡大すると致死率の高い急性大動脈解離を起こすため、解離を起こす前に予防的に大動脈基部の手術を行うことが推奨されています。マルファン症候群ではバルサルバ洞径45mm、大動脈の病変がより重症なことが多いロイツ・ディーツ症候群ではバルサルバ洞径40mmで××「大動脈基部」多くの症例数に対応しながら、世界最先端の技術を用いた手術を導入全ての患者さんに最適な医療を提供します心臓外科心臓外科血管外科血管外科心臓血管外科

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