日本での心臓移植後の生存率は非常に良好な水準ですが、ドナー不足により5年以上の待機が必要な患者さんは少なくありません。 心臓移植を待つ患者さんは長期の入院治療での待機を余儀なくされ、入院中は手術や痛みを伴う処置・検査を繰り返し受ける必要があります。子どもの患者さんであれば、心身に与える負担はさらに大きくなります。 私たちは、当院に入院する重症心臓病患者さんの不安を少しでも緩和し、安心して治療を受けられる環境を作るために、患者さんの心のケアを専門とする体制の整備と、生活を彩るさまざまなレクリエーションの実施を強化することにしました。 今回のクラウドファンディングでは、体制強化に不可欠なチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)や臨床心理士といったプロフェッショナルの雇用費用を募ります。 今回の挑戦を通して、重症心臓病の患者さんの、移植待機の日々に、想いを馳せていただけますと幸いです。国循 脳梗塞 レディーフォー移植医療部部長 塚本 泰正 私たちは国内14施設共同で、急性期脳梗塞の新たな血栓溶解薬開発のための臨床試験を実施しています。 現在、日本では血栓溶解薬として「アルテプラーゼ」が使われていますが、これを改変して作られた「テネクテプラーゼ」が全世界で使用され始めており、従来のアルテプラーゼよりも2.2倍の血管開通率を誇り、かつ脳梗塞発症後の3ヶ月の日常生活自立度も改善したと報告があります。 しかし、現在日本にはテネクテプラーゼを取り扱う製薬会社はまだなく、試験の実施にあたっては海外からの購入を余儀なくされていることから、物価高や輸送費の高騰が影響しています。完遂に向けて、「テネクテプラーゼ」の追加分を少なくとも10本程度購入することを目標に、今回のクラウドファンディングに挑戦します。 今回のテネクテプラーゼでは世界と同じ投与量で試験を進め、日本が世界から取り残されないように、ワールドスタンダードに沿った承認を得ることで、ドラッグラグをなくし、日本からも脳卒中の急性期治療に関して、あらゆるエビデンスが発信できればと思っています。脳血管内科/脳卒中集中治療科特任部長 井上 学国循 重症心不全 レディーフォー05クラウドファンディングとは、インターネットを通して自分の活動や夢を発信することで、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るしくみです。今般、国立循環器病研究センターは、READYFOR株式会社と支援業務委託契約を締結しました。皆様からの格別のご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願い致します。現在実施中のプロジェクト急性期脳梗塞に対する、新規血栓溶解薬導入への臨床試験継続へご支援を最終目標金額2,000万円2023年6月9日(金)23時まで最終目標金額2,200万円2023年6月9日(金)23時までHot topics■国循クラウドファンディング■挑戦中!重症心臓病とたたかう小児・若年患者さんの不安解消を目指して
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