Profile2002年 昭和大学医学部卒業2004年 東京労災病院 神経内科2006年 東京都立荏原病院 神経内科2009年 昭和大学横浜市北部病院 内科センター 神経部門 助手2011年 米国スタンフォード大学 脳卒中センター 客員講師2014年 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科 講師2016年 国立循環器病研究センター 脳血管内科に勤務2017年 同 脳血管内科 医長2019年 同 脳卒中集中治療科 医長併任2022年 同 国際戦略室 室長 併任2023年 同 脳血管内科/脳卒中集中治療科 特任部長〈学会活動〉日本内科学会 認定医・指導医、日本神経学会 専門医・指導医・代議員、日本脳卒中学会 専門医・指導医、日本心血管脳卒中学会 評議員、事務局日本神経治療学会 評議員日本脳循環代謝学会 評議員米国心臓学会/脳卒中学会フェロー(評議員)FAHA欧州脳卒中学会フェロー(評議員)FESO世界脳卒中機構フェロー(評議員)FWSO04KOKUJUN PressMANABU INOUE脳血管内科/脳卒中集中治療科特任部長 井上 学 2023年4月1日付けで、国立循環器病研究センター脳血管内科/脳卒中集中治療科特任部長に着任いたしました井上 学と申します。神戸で生まれ、旧西ドイツと東京で育ち、医学は日本とアメリカで学びました。 脳血管部門の最も大きな対象疾患は脳卒中です。脳卒中の撲滅を掲げて、あらゆる予防策・治療方法を検討しておりますが、根絶までの道のりはまだまだ険しいです。また一度脳卒中にかかると、介護が必要になる場合が多く、患者さん自身のみならず家族・親類へと影響が出る、そんな疾患であることを皆様もよくご存知かと思います。 私はアメリカで脳卒中の特に画像診断を勉強し、RAPIDという灌流画像解析ソフトウエアを日本に導入しました。これは、急性期再灌流療法の適応判定と予後予測ができる優れものです。そして、現在、豊田副院長と一緒に、テネクテプラーゼという新規の脳血栓溶解薬を導入しようと健闘しております。日本は欧米諸国に比べて治療薬や治療デバイスに関して遅れをとっている部分があります。それを少しでも解消すべく、国循が中心となり、日本で世界標準の治療を受けられるよう脳血管内科・脳神経内科・脳神経外科の3科合同で立ち向かっております。 また後遺症に苦しむ患者さんの力になるため、ボトックス外来を始めています。脳卒中後の手足の痙縮にお悩みの方はぜひ当センターのボトックス外来の受診をご検討ください。 脳卒中と心臓血管疾患は表裏一体であり、心疾患(特に不整脈)を原因とする脳梗塞や、脳卒中が心疾患の契機になるタコツボ型心筋症を起こすこともあります。一人の患者さんに脳と心臓の両方の疾患があり、治療する優先順位を決めるのに苦慮することが多々あります。国循は、この二つの領域に特化したエキスパートたちの集まりです。センター内ではBrain-Heartチームが結成され、こういった問題を解決するクリエイティブで有意義な議論を進めることができ、またそれが将来の日本の治療ガイドラインに反映されることがあります。 これからもこの両疾患を制圧できるように頑張って、国と地域に貢献する病院でありたいと思います。脳血管内科脳卒中の撲滅に向けて、3科合同による最新の治療法・治療薬の開発に邁進して参ります
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