小児心臓外科
研究活動の概要
小児心臓外科部では先天性心疾患全般にわたる外科治療を行っており、新生児から成人期に至るまで、あらゆる先天性心疾患症例の手術成績の向上、および術後長期遠隔期における生活の質の向上を目標として活動しています。
また小児期重症心不全症例に対しても、補助人工心臓や心臓移植などの外科的介入に積極的に取り組んでいます。
大きな研究テーマとしては、
- 新生児期開心術の手術成績を向上させるための工夫
- ファロー四徴症の手術術式と遠隔成績の検討
- 左心低形成症候群に対する治療成績向上のための工夫
- 房室錯位症に対する解剖学的根治術における血流転換手技の改善
- 単心室症のフォンタン手術への到達率向上のための治療戦略
- 小児重症心不全に対する補助人工心臓療法
- 成人期に達した先天性心疾患例に対する外科治療の検討
- 先天性心疾患手術における術式決定および教育のためのツール作り
2024年の主な研究成果
- 「新生児期開心術の手術成績を向上させるために必要なこと」を日本周産期・新生児医学会雑誌に発表。
- 「右冠動脈瘻に伴う心室中隔瘤の新生児例」をCardiology in the Youngに発表。
- 「ファロー四徴症の心内修復術後遠隔期の心機能に関する検討」を欧州心臓胸部外科学会雑誌(Eur J Cardiothorac Surg)に発表。
- 「ファロー四徴症心内修復術における肺動脈弁形態が長期予後に与える影響」を欧州心臓胸部外科学会、日本小児循環器学会で発表。
- 「冠動脈起始異常を伴う左心低形成症候群に対するノルウッド手術」を米国胸部外科学会雑誌(Ann Thorac Surg Short Reports)に発表。
- 「機能的単心室患者における共通房室弁置換の長期成績」を欧州心臓胸部外科学会、日本胸部外科学会で発表。
- 「小児重症心不全に対する小児補助人工心臓の限界」を世界小児心臓・心臓外科学会で発表。
- 「不整脈原性右室心筋症に対するFontan手術併用、植込み型補助人工心臓療法」を国際補助循環学会で発表。
- 「成人期大動脈縮窄症」を日本臨床増刊号に発表。
- 「3Dプリント心臓モデルによる先天性心疾患手術シミュレーションへの応用」をJournal of Cardiovascular Development and Diseaseに発表。