小児心臓外科
研究活動の概要

小児心臓外科部では先天性心疾患全般にわたる外科治療を行っており、新生児から成人期に至るまで、あらゆる先天性心疾患症例の手術成績の向上、および術後長期遠隔期における生活の質の向上を目標として活動しています。
また小児期重症心不全症例に対しても、補助人工心臓や心臓移植などの外科的介入に積極的に取り組んでいます。

大きな研究テーマとしては

  1. 新生児期開心術の手術成績を向上させるための工夫
  2. ファロー四徴症の手術術式と遠隔成績の検討
  3. 左心低形成症候群に対するNorwood手術の治療成績向上
  4. 房室錯位症に対する解剖学的根治術における血流転換手技の改善
  5. 単心室症のフォンタン手術への到達率向上のための治療戦略
  6. 小児重症心不全に対する補助人工心臓療法
  7. 成人期に達した先天性心疾患例に対する外科治療の検討
  8. 先天性心疾患手術における術式決定および教育のためのツール作り
2023年の主な研究成果
  • 新生児期開心術の手術成績を向上させるために行っていることを日本周産期・新生児医学会で発表。
  • ファロー四徴症の心内修復術後遠隔期の肺動脈弁閉鎖不全に対する肺動脈弁置換術の検討を日本胸部外科学会で発表。
  • 修正大血管転位症における解剖学的修復術と機能的修復術の遠隔成績の比較を、米国胸部外科学会雑誌(J Thorac Cardiovasc Surg)に発表。
  • 修正大血管転位症に対するダブルスイッチ手術の長期成績を日本小児循環器学会で発表。
  • 内臓錯位を伴う単心室症に対する外科治療の長期遠隔成績を、欧州心臓胸部外科学会雑誌(Eur J Cardiothorac Surg)に発表。
  • 単心室症における術後遠隔成績からみたフォンタン手術の問題点の検討を米国胸部外科学会、欧州心臓胸部外科学会で発表。
  • 単心室症における共通房室弁置換術の成績をアジア心臓血管胸部外科学会、日本心臓血管外科学会で発表。
  • 小児重症心不全例に対する両心補助循環の工夫、および小児補助人工心臓(Berlin Heart EXCOR)の治療成績を、日本小児循環器学会で発表。
  • 成人期エプスタイン病に対する三尖弁形成術(Cone手術)の中期成績を日本胸部外科学会で発表。
  • 小児先天性⼼疾患患者の救命とQOL改善を⽬指した最適な術式決定を⽀援する⼼臓シミュレータの前向き臨床研究を実施。