腎臓・高血圧内科
2020年の主な研究成果
  1. GEANE研究において、インダパミド投与後の血中尿酸値上昇に関連する一塩基多型をゲノムワイド関連研究よって特定した。英文医学誌にて発表済み。
  2. 腎動脈狭窄症の原因が線維筋性異形成である場合、動脈硬化性と比較して左心室肥大の退縮効果が大きかった。線維筋性異形成、狭窄度≧90%、治療前左室肥大の程度が大きいことが、左心室肥大退縮率≧20%の独立関連因子であった。英文医学誌にて発表済み。
  3. 高血圧患者において、高度CKDの血行動態日内変動は、夜間収縮期血圧およびPWVの高値、および腎内血行動態障害を特徴としていた。英文医学誌にて発表済み。
今後の実施予定
  1. 冠動脈形成術後の急性腎障害における尿バイオマーカーの意義:
    101例の尿中L-FABPの変化が腎障害を予測するマーカーであることを明らかにした。
    学会発表済み。論文投稿中。
  2. 多施設研究「SGLT2阻害薬ダパグリフロジンによる心不全合併2型糖尿病患者における尿アルブミン抑制効果の検討」を実施中。
    臨床研究開発部と共同で特定臨床プロトコールを英文医学誌に発表済み。
  3. 急性心不全患者の尿バイオマーカーの意義:
    倫理審査委員会の承認を得て、現在サンプル収集中。
  4. 維持透析患者における血圧・末梢血管抵抗の変化:
    論文投稿中。
  5. 透析患者における大動脈弁と刺激伝導系の検討:
    倫理審査委員会より研究許可済。
  6. 造影剤腎症の発症抑制を目指した臨床応用開発:
    医師主導型治験に向けた前臨床試験を実施し、研究計画を準備中。
  7. 腎線維化の早期診断、重症度層別化と尿バイオマーカーの意義:
    研究計画書作成中。
  8. 維持透析導入時期を予測する数式化とその妥当性検証:
    研究計画書作成中。
  9. バンコマイシン長期投与の腎機能、尿沈渣、尿バイオマーカーへの影響:
    倫理審査委員会より研究許可済。
研究業績
  1. Iwashima Y, Fukuda T, Horio T, Kusunoki H, Hayashi S, Kamide K, Kawano Y, Ishimitsu T, Yoshihara F. Impact of Percutaneous Revascularization on Left Ventricular Mass and Its Relationship to Outcome in Hypertensive Patients With Renal Artery Stenosis. American Journal of Hypertension. 33, 570-580, 2020.
  2. Ohta Y, Kamide K, Hanada H, Morimoto S, Nakahashi T, Takiuchi S, Ishimitsu T, Tsuchihashi T, Soma M, Katsuya TT, Sugimoto K, Rakugi H, Oukura T, Higaki J, Matsuura H, Shinagawa T, Miwa Y, Sasaguri T, Igase M, Miki T, Takeda K, Higashiura K, Shimamoto K, Katabuchi R, Ueno M, Hosomi N, Kato J, Komai N, Kojima S, Sase K, Iwashima Y, Yoshihara F, Horio T, Nakamura S, Nakahama H, Miyata T, Kawano Y. Genetic factors associated with elevation of uric acid after treatment with thiazide-like diuretic in patients with essential hypertension. Hypertension Research. 43, 220-226, 2020.
  3. 松尾 実紀, 吉原 史樹. 心腎連関の応用 心不全治療薬. 内科. 126, 273-278, 2020.
  4. 岸田 真嗣, 吉原 史樹. CKD合併心不全とβ遮断薬. 薬局. 71, 2998-3003, 2020.