産学連携本部
研究活動の概要
革新的な医療技術の実現と普及には企業・大学等との連携が必須なので、産学連携本部では最先端の医療に直結した臨床ニーズと逐次アップデートされる研究成果にもとづく技術シーズをさらに展開し、企業・大学等とのアライアンスを活かしつつ次世代の医療機器、医薬品、ヘルスケア事業の創出へとつなげることを目指している。
臨床現場から得られた課題解決策や、研究活動から得られた成果を知的財産として適正に保護するとともに、新しい医療・ヘルスケアとして社会に適切に還元されるよう事業化を促し、循環器病の究明と制圧に資する産学連携を進めている。
産学連携本部は事業化推進室と知財戦略室の2室から構成されており、事業化推進室では、産学連携を企画・構築し、新たな研究プラットフォームを開拓しつつ事業化を推進することで、研究成果の社会への還元を図っている。また、知財戦略室では、知的財産を適切に管理し、活用を推進することで研究成果の技術移転を図っている。知的財産に係る一連の取り扱いを専ら担う部署はそれまで無かったが、同室にて当研究センターから創出された特許など知的財産の管理運用を行うとともに、実施許諾契約など研究開発に関わる契約の管理運用も担い、これらに関するさらなる整備を進めているところである。
2019年には当研究センターの健都への移転とともに、企業との一つ屋根の下に共同研究拠点となるオープンイノベーションラボ(OIL)を設置し、共同研究拠点を構築した。さらに、産学官の交流の場となるサイエンスカフェを整備し、オープンイノベーションの概念に基づき新たな研究の探索・共同研究の推進に向けた、すそ野の拡大を目指した環境を整えた。
2019年の主な研究成果
-産学連携の成果として-
- OILを研究拠点とする企業等は2019年末までに13社となり、OILの占有率は8割を超えるに至った。国循の医師・研究者らと密接な連携を伴う拠点化の形成が促進されている。
- サイエンスカフェを拠点として新たな医療機器・医薬品・ヘルスケア産業創出などを目的として集う会員間の交流促進を図るため、サイエンスカフェクラブを設置した。
2019年末までに100名を超える申請があり、交流の輪が拡大しているところである。 - 当研究センターの所有する知的財産権や研究成果などを活用することが期待されるベンチャー企業を支援するための制度として、「国立循環器病研究センターベンチャー発ベンチャーの認定に関する規程」を定めた。同規程が適用される第1号にリードファーマ株式会社を認定した。
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査官らに体験型の教育研修を実施した。
PMDAとの人材交流・人材育成が図られるとともに、医療機器等の薬事に関する規制と産学連携の推進との総合的な連携が図られた。