バイオバンク

社会貢献<その他>

バイオバンク事業の概要

国循の事業として、医学臨床研究に貢献するために、脳血管疾患を含む循環器疾患、周産期疾患を主体とした、原則として国循登録患者の医療情報と生体試料を収集保管し、それらを研究活用に分配することで新しい検査法・治療法・予防法などの医学研究および医学教育を推進させることを使命としている。
研究倫理と個人情報の保護への体制も万全に取り組んでいる。

2018年の部門別活動内容
  1. バイオリソース管理室
    • 2018年中のバイオバンクの協力者は3,295人 (累計15,527人)、そのうち2,935人(累計13,252人)から生体試料を採取し、保管した。
    • 患者へのバイオバンク事業の説明と同意取得は外来、病棟、入院センターにおいて効率的に行っており、協力者数は大幅に増加した。
    • バイオバンク同意のある病理検体の保管は、匿名化・ラベル発行システムの導入により効率的に行っている。
    • 院内の臨床研究に対し12件の保管試料の払い出しを実施した。その内アカデミアとの共同研究は3件、企業との共同研究は2件となっている。また、企業とアカデミア各々1件に保管試料を払い出した。
    • 日本医療研究開発機構(AMED)が主導する「バイオバンク連絡会」において多施設のバイオバンク間、企業等との情報交換を行っている。
    • ナショナルバイオバンクネットワークグループ(NCBN)において、日本製薬工業協会と共同の取り組み『疾患別コホート統合データベース事業』を開始した。

  2. データリソース管理室
    • 病名登録システムの修正と登録ルールの改定を行い、新規協力者の主病名・併存病名登録の作業ペースのアップを図り、研究利用の促進を図った。
    • 保管試料検索システムを用いた研究目的に合致する試料情報を研究者との事前調整において提案することで研究者の倫理審査申請までの時間を短縮した。また、バイオバンク・ヒト試料等審査委員会で行う事前審査も承認までの時間短縮に努めている。
    • NCBNへ、保管試料および附随する情報を隔月に提出している。NCBNカタログデータベースの外部からの検索数が増加し、該当の場合の問い合わせに順次対応している。

  3. 個人情報管理室
    • 事業内の倫理的配慮を必要とする事項について、医学倫理研究部と連携し、対応している。

  4. NCBN推進室
    • 6NCバイオバンク長会議(NCBN主催・年4回開催)において各NCにおける事業の進捗を報告し、推進について協議している。
学会発表
  • 第72回国立病院総合医学会(11月9日-10日/神戸市)において「バイオバンク病名登録の正確性向上の取り組み」を中尾明子(診療情報士)が発表した。