バイオバンク

社会貢献<その他>

バイオバンク事業の概要

国循の事業として、医学臨床研究に貢献するために、脳血管疾患を含む循環器疾患、周産期疾患を主体とした、原則として国循登録患者の医療情報と生体試料を収集保管し、それらを研究活用に分配することで新しい検査方法・治療・予防などの医学研究および医学教育を推進させることを使命としている。
研究倫理と個人情報の保護への体制も万全に取り組んでいる。

2017年の部門別活動内容
  1. バイオリソース管理室
    • 2017年中のバイオバンクの協力者は3,281人 (累計12,229人)、そのうち2,728人(累計10,416人)から生体試料を採取し、保管した。
    • 患者へのバイオバンク事業の説明と同意取得は外来、病棟、入院センターにおいて効率的に行っており、協力者数は大幅に増加した。
    • 血液検体に加え2017年からバイオバンク同意のある病理検体の保管に際する匿名化・ラベル発行システムを導入した。
    • 院内の臨床研究に対し7件の保管試料の払い出しと2件の診療情報・データの提供を実施した。
    • 日本医療研究開発機構(AMED)が主導する「バイオバンク連絡会」において他施設のバイオバンク間、企業等との情報交換が始まった。
  2. データリソース管理室
    • 病名登録システムの修正と登録ルールの改定を行い、新規協力者の主病名・併存病名登録の作業ペースのアップを図り、研究利用の促進を図った。
    • 保管試料検索システムを用いた研究目的に合致する試料情報を研究者との事前調整において提案することで研究者の倫理審査申請までの時間を短縮した。また、バイオバンク試料等審査委員会で行う事前審査も承認までの時間短縮に努めている。
    • ナショナルバイオバンクネットワークグループ(NCBN)へ、保管試料および附随する情報を隔月に提出している。NCBNカタログデータベースへの外部からの検索数が増加し、該当の場合の問い合わせに順次対応している。
  3. 個人情報管理室
    • 事業内の倫理的配慮を必要とする事項について、医学倫理研究部と連携し、対応している。
  4. NCBN推進室
    • 2月15-17日に大阪で開催されたMedical Japan 2017、6月28-30日に東京で開催された第14回アカデミックフォーラム、10月11-13日に横浜で開催されたBio Japan 2017に、6NC各バイオバンクが協力してNCBNの展示ブースを出展した。NCBN newsletterもWeb上で年4回配信している。
学会発表
  1. 2月15日 大阪Medical Japan 2017において『NCBNの使命と概要』を高田彰が講演した。
  2. 7月7日-9日 第3回クリニカルバイオバンク研究会シンポジウム(千葉大学)において「国立循環器病研究センターバイオバンクの取り組みについての紹介」を田沼玲子(筆頭演者)が発表した。
  3. 11月10日-11日 第71回国立病院総合医学会(高松市)において「国循バイオバンクにおけるヒト心筋組織のオミックス研究に適した取扱い・保存法の検討」 冨田 努、植田初江、花田裕典、高田 彰、東山 綾、宮本恵宏(以上、バイオバンク)、 錦織充広、高橋 篤、白井 学、関根章博、孫 徹、南野直人(以上、創薬オミックス解析センター)、冨田(筆頭演者)が発表した。