医療安全管理部
研究活動の概要
近年の医療機器の進歩と発展はめざましく、臨床現場においては高度の医療機器が導入されて大きな診療成果を上げている。しかしながら、一方でその機器の誤った使用によるインシデントやアクシデントも起きているのが現状であり、これは国立循環器病研究センター(以下、センター)においても例外ではない。このため安全で信頼性の高い良質な医療を実践するためには、医療機器の適切な操作と点検を行う必要がある。
平成18年の医療法改正に伴う先般の通知では、薬事法で定める全ての医療機器の安全管理のための体制の確保について、「医療機器安全管理責任者」の配置と、医療機器の保守点検に関する計画の策定と実施等が求められている。この指針ではセンターにおける医療機器の保守管理の概要と要件を定め、機種別の保守点検計画を記載する。
医療機器保守点検実績
- 生命維持管理装置の中央管理と定期点検の実施により、医療機器安全管理料が算定されている。2017年度は222,100点の算定が実施されている。
- 輸液ポンプ380台、シリンジポンプ520台、人工呼吸器74台をME機器管理室にて中央管理し、点検・清掃・病棟への貸出を行っている。
- 中央管理高度医療機器の定期点検は2017年度分(輸液ポンプ、シリンジポンプ、除細動器、体外式ペースメーカ、人工呼吸器、閉鎖式保育器、経腸栄養ポンプ)に関しては全台完了した。
- 2015年度10月より人工呼吸器(AVEA、HAMILTON G5,パラパック)の5000時間使用時定期点検を開始。2017年度も規定時間に達したものから順に定期点検を行った。
- ドクターカー使用後点検及び在庫管理について2016年度は159回、2017年度は145回実施した。
- 看護センサーの修理受付を6月より開始。2017年度はマッ太君8件、うーご君10件、あゆみちゃん1件の修理を実施した。
- 経腸栄養ポンプ(Kangaroo pump)16台の中央管理化を6月より開始。点検・清掃並びに病棟への貸出しを2017年度はのべ254回行った。
医療機器の安全管理に対する活動
- 医療法で定められた「医療機器の安全使用のための研修」を実施。昨年度はのべ133回、高度医療機器に関しては受講率100%を達成した。2017年度はのべ109回実施しており、受講率100%を達成している
- 特定保守管理医療機器およびそれに準じる生命維持管理装置10機種について、医療機器管理台帳(医療機器保守点検計画書および医療機器保守点検実績書)の完全整備
医療機器管理台帳については、医療機器安全管理責任者の確認および室長・部長の決裁を含め、適切に実施している。 - 医療機器に関連するインシデント低減を目的とした院内ラウンドや勉強会などの実施
人工呼吸器や輸液シリンジポンプの安全使用、セントラルモニタの運用に関して、MEラウンドを実施。問題の早期発見と対策の立案、対策の実施状況を確認している。また、院内ラウンドにて要望のあったME機器安全使用に関する任意講習会を順次実施。2017年度は3回行った(人工呼吸器の換気モードについて、optiflowの取り扱いについて(2回))。