バイオバンク
バイオバンク事業の概要

循環器疾患の制圧を使命とし、原則として国循登録患者の医療情報と生体試料を収集保管し、それらを研究活用に分配することで新しい検査法・治療法・予防法などの医学研究および開発を推進させる国循の事業である。

研究倫理と個人情報の保護への体制も万全に取り組んでいる。

2016年の活動内容を部門別に記す。

  1. バイオリソース管理室
    • 2016年中のバイオバンクの協力者は4,208人 (累計8,904人)、そのうち3,366人(累計7,266人)から生体試料を採取し、保管した。
    • 2016年6月より、従来の外来、病棟の他に、入院センターにおいて、患者へのバイオバンク事業の説明および同意を取得する活動を開始した。これにより効率的な説明と同意取得が可能となり、協力者数の大幅な増加につながった。
    • 本年は院内の臨床研究に対し4件、院外の施設に対し教育用として1件の、保管試料の払い出しを実施した。
    • 10月15日に開催された第4回国循フェスタで、事業の広報活動を行った。
  2. データリソース管理室
    • 2015年11月末から新規協力者に対し、主病名と併存病名の同時登録を実施している。2015年11月末までに同意を取得した、主病名のみが登録されていた協力者を対象に、併存病名登録を開始した(2016年6月~2017年3月終了予定)。協力者8,904人中、主病名は96.1%、併存病名は86.2%で登録を終了した。これにより、頻度が低い疾患も含め、疾患の選択の幅が広がり、研究利用を促進する基盤の一つが整った。
    • 研究利用を促進するために、倫理審査委員会申請前の事前調整と、倫理審査委員会での事前審査の役割を担うバイオバンク試料等審査委員会を設置した。研究者との事前調整の際に、研究目的に合致した試料の利用を提案するため、診療情報、病名、問診票等の情報から試料を検索するシステムを構築した。
    • ナショナルバイオバンクネットワークグループ(NCBN)へ、保管試料および附随する情報を提出(隔月)し、NCBN カタログデータベースの整備に貢献した。
    • これまでのiPad問診票システムは2月末で終了した。新たなシステム構築については、移転後の電子カルテシステムが決定された後、詳細を検討する。
  3. 個人情報管理室
    • 事業内の倫理的配慮を必要とする事項について、医学倫理研究部と連携し、対応している。
  4. NCBN推進室
    • 2月24-26日に大阪で開催されたMedical Japan 2016、5月11-13日に東京で開催された第13回アカデミックフォーラム、10月12-14日に横浜で開催されたBio Japan 2016に、6NC各バイオバンクが協力してNCBNの展示ブースを出展した。Medical Japan 2016では『NCBNの使命と概要』、アカデミックフォーラムでは『NCBNの取り組み・展望』を講演した。
    • NCBNが、活動状況や各NCバイオバンクの紹介を掲載するNCBNニュースレターを隔月で発刊している。第一巻第三号(2016年10月31日発行)ではNCVCバイオバンクについて紹介した。
同意と検体収集状況

■2016年のみ (2016/1/1~2016/12/31)

■累積 (2012/6~2016/12/31)