医療安全管理部
研究活動の概要

院内の医療安全管理体制の確保と推進を行うために、副院長を委員長とした「医療安全管理委員会(医療法設置義務)」を設置している。医療安全管理委員会の目的達成のため、医療安全管理の実務を担当する部署として、「医療安全室」が設置(平成14年10月~)されている。医療安全室は室長、医療安全管理者以下17名(併任含む)で構成している。

加えてリスクマネージャー(医師部門23名、薬剤師・技師(士)部門7名、看護師部門26名、事務管理部門4名)を任命し、医療安全室との連携・協同のもと、院内各部署の医療安全活動を展開している。

医療法に基づく活動
  1. 医療安全に係る委員会の活動
  2. 会議名称

    回/年

    主な審議内容

    医療安全委員会

    12

    医療安全確保に係る事項全般
    医療安全室全体会議

    12

    医療安全室WG活動、インシデント事例分析後の対策検討
    医療安全室コアメンバー会議
    (1回/週)

    48

    インシデント事例分析(426件)、医療安全相談窓口など患者家族への対応の協議
    医療安全推進担当者部会
    (医師・薬剤師・技師(士)合同部会)

    12

    インシデント再発防止策など医療安全の具体的方策の検討
    医療安全推進担当者部会
    (看護師部会)

    12

    インシデント再発防止策等医療安全の具体的方策の検討、インシデント事例分析演習、テーマ別院内ラウンド

  3. 医療安全管理指針の整備
    • 平成28年2月 医療安全推進指針・医療安全推進マニュアル第20次改定・配布
    •   ・・・・改訂の主な内容は、セントラルモニターの管理、インフォームド・コンセント、麻薬破損時の
           取扱いについて

    院内医療事故等情報収集・分析

    ○平成28年度インシデント・アクシデント報告件数(平成29年3月23日現在件数)

    報告件数

    医師(%)

    技師(%)

    看護師(%)

    事務(%)

    インシデント

    2,742

    164(6.0%)

    221(8.1%)

    2,341(85.4%)

    16(0.6%)

    アクシデント

    23

    11(47.8%)

    1(4.3%)

    11(47.8%)

    0(0.0%)

    その他

    37

    10(27.0%)

    4(10.8%)

    23(62.2%)

    0(0.0%)

    2,802

    185(6.6%)

    226(8.1%)

    2,375(84.8%)

    16(0.6%)


    ○インシデント再発防止対策等院内安全の確保(抜粋)

    • インシデントレポートマニュアル配布
    • ワーファリンチェックリストの休日運用の導入
    • 時間薬チェックリストの導入と運用
    • 血糖測定穿刺針の切替
    • 小児科アレルギー患者へのおやつ払い出し方法の検討と改善
    • MRI実施患者の補聴器装着例に関する注意喚起
    • 末梢投与時のKCL希釈濃度に関する注意喚起
    • 類似アンプルに関する注意喚起
    • 内服トレーニング管理導入時アルゴリズムの作成と記録の整備

    職員研修の実施 ○全職員対象講習会(受講率100%)
      ・第1回目(2016/7/19)
        テーマ: 「災害に強い病院を作る」
        講 師: 弘前大学 胸部心臓血管外科 教授 福田 幾夫先生
      ・第2回目(2017/1/24)
        テーマ: 「医療安全文化熟成のためにメディエーション・コーチングを病院の文化に!」
        講 師: 名古屋第二赤十字病院 院長 石川 清先生

    ○テーマ・対象別研修

    講演・講義

    新採用者対象医療安全講義、中途採用者対象医療安全講義、
    看護助手医療安全講義
    医療訴訟ガイダンス「医療訴訟の実情と判例」
    MRI医療安全講習会   麻薬管理について
    ガンマナイフ教育訓練講習会、サイクロトロン教育訓練講習会

    シミュレーション
    トレーニング

    新採用専門修練医・レジデント対象医療安全演習
    オーダリング、気道管理、大腿動脈穿刺、エコーガイド下CV挿入、CPR
    DC、カルテ記載、新採用看護師対象医療安全演習

    ME機器研修

    人工呼吸器研修(Servoⅰ, AVEA, Ⅴ60, BiPAP, BabyLog, Hamilton, RTX,)
    在宅呼吸器(T50)、血液浄化装置(CRRT)、ACUガンマΣ、補助人工心臓(Dura
    Heart,EVAHEART,HEARTMATE2,Nipro-VAS)、人工心肺装置(HAS2,S5)、
    小児用補助人工心臓(EXCOR,Jarvic2000)、
    PCPS/IABP、ネイザルハイフロー(Airvo2)閉鎖式保育器、
    体外式ペースメーカー、小児用補助人工心臓(EXP-1)


  4. 医療安全相談窓口
  5. ○カテーテル後合併症
その他の2016年の主な活動
  1. 医療安全ワーキンググループ活動
    • 教育研修:医療安全研修計画・実施
    • 誤薬・指示:分析および注意喚起、アルゴリズム開発
    • 心肺蘇生事例分析:「院内心肺蘇生経過記録」「急変時処置記録」のチェック
    • 医薬品安全管理:プレアボイド報告、医薬品適正使用ガイドライン更新
    • 医療機器安全管理:人工呼吸器勉強会、ME機器中央管理運営
    • 安全な手術・タイムアウト:不備件数報告と注意喚起
    • 患者誤認防止:患者フルネーム呼称確認キャンペーン、病棟ラウンド
    • インシデント分析(426件)
  2. 院内事例検討会・医療事故調査委員会
    • 院内事例検討会:25例
    • 医療事故調査委員会:開催なし
  3. 重症回診
    • 134例実施
  4. その他
    • 院内ラウンド(モニター表示リスクラウンド)
    • 院内ラウンド(転倒リスク患者リストバンドマーキング実施確認リスクラウンド)
    • 医療安全情報周知9回発行
研究発表
  • 第18回 日本医療マネジメント学会学術総会   平成28年4月23日 発表者:上薗 惠子
    「循環器疾患患者における入院時内服自己管理アルゴリズムの電子化について」
  • 第13回 日本循環器看護学会学術集会   平成28年10月22日 発表者:菊山 智美
    「循環器専門病院の転倒転落の現状と今後の課題」
  • 第10回 日本医療マネジメント学会大阪支部学術集会   平成29年3月4日 発表者:溝神 裕美
    「ワルファリンカリウムによる誤薬件数減少に向けた取り組み」
  • 第81回 日本循環器学会学術集会   平成29年3月19日 発表者:上薗 惠子
    「院内心肺蘇生の転帰とその関連因子:後ろ向き調査研究」