バイオバンク
バイオバンク事業の概要

循環器疾患の制圧を使命とし、原則として国循登録患者の医療情報と生体試料を収集保管し、それらを研究活用に分配することで新しい検査法・治療法・予防法などの開発ならびにそれに関わる医学研究を推進させる国循の事業である。

研究倫理と個人情報の保護への体制も万全に取り組んでいる。

2015年の活動内容は以下の通りである。

  1. バイオリソース管理室
    • 専門外来、病棟において2015年は3,023人の患者様へバイオバンクの説明を行い、1,922名よりバイオバンク採血同意、311名より診療残余血利用の同意を得た。
    • 協力者から得た血液より調製した血清、血漿および精製DNAは-80℃で、生細胞は液体窒素温度で保管している。
    • 試料を保管している冷凍庫室には入退室管理システムを設置し、人の入退室を厳密に管理している。
    • バイオバンク試料を利用した院内研究者の臨床研究に対し、引き続き払い出しを実施した。
    • 院内でのバイオバンク紹介DVDに加え、西川きよし・ヘレン夫妻にバイオバンクのポスターに出演いただき、バイオバンクの啓発活動に貢献していただいている。
    • 10月20日に開催された第3回国循フェスタにおいては事業の広報活動を行った。
  2. データリソース管理室
    • 2015年12月に、患者様により親しみ易い同意説明文書へと改訂を行い、説明内容が明解になるとともに、説明時間の短縮につながった。
    • バイオバンクが管理するデータは、高セキュリティ室での保管を続行している。
    • 従前の通り、主病名登録を継続するとともに、11月には登録システムの改修を行い、過去にさかのぼっての併存病名登録も開始した。これに伴い病名登録ルールを改訂し、より明確な規則にもとづく登録を実施できるようになった。
    • ナショナルバイオバンクネットワークグループ(NCBN)カタログデータのWEB登録は順調に隔月に更新し、NCBNホームページで閲覧が可能である。
    • SF-36のデータは月毎に取りまとめ、随時電子化作業を実施している。
  3. 個人情報管理室
    • 匿名化管理システム『BioPrism』による匿名化番号の付帯は常に100%の入力率を維持し、協力者の個人情報を保管管理している。
    • 事業内の倫理的配慮を必要とする事項について、医学倫理の専門家が引き続き対応を行った。
  4. NCBN推進室
    • 2月4日から大阪で開催されたMedical Japan 2015、5月13日から東京で開催された第12回アカデミックフォーラム、10月14日から横浜で開催されたBio Japan 2015にNCBNの展示ブースを出展し宣伝活動を6NC各バイオバンクの協力で進めた。
    • Medical Japan 2015では『NCBNの使命と展望』、アカデミックフォーラムでは『NCBNの活動と展望』について講演した。
    • 隔月でNCBNの活動状況とともに各NCがバイオバンクを紹介するNCBNニュースレターは、第1巻第7号(6月発刊)で6つのNC紹介を一巡し、第2巻は8月、10月、12月の3号を発刊した。
同意と検体収集状況

■2015年のみ (2015/1/1~2015/12/31)

■累積 (2012/6~2015/12/31)