バイオバンク
研究活動の概要

当事業は、循環器疾患、脳・血管疾患などを克服することを使命として医療情報と生体試料を収集保管分配し、研究者がそれを活用することで日本にあった新しい検査法・治療法・予防法などの医学研究および開発を推進させる事業である。
また研究倫理と個人情報の保護には万全の体制で取り組んでいる。

具体的に2013年の活動を部門別に記す。

  1. バイオリソース管理部門
    専門外来および入院病棟において1,141名のバイオバンク採血同意を得た。診療採血と同時に採血された血清と血漿、生細胞はバイオバンク臨床検査技師により順次DNA精製の後マイナス80度の冷凍庫で保管。冷凍庫室の入退室はテンキーロックシステムで管理している。
  2. データリソース管理部門
    情報統括部による臨床データウェアハウスの階層増設でさらにバイオバンクデータのセキュリティが強化された。またiPad問診システムの構築を進め、SAS動的割付システムは12月から稼働した。バイオバンク情報の電子カルテ掲載は8月に構築が完了し、主治医の活発な利用が見られる。
  3. 個人情報管理部門
    匿名化管理システム『BioPrism』による匿名化番号の付帯は常に100%の入力率を維持し、検体の個人情報を保管管理している。本年は管理強化のためサーバーの移設を行った。また事業内の倫理的配慮に随時対応している。

現在進めている共同研究を記す。

  1. 頸動脈内膜剥離術(CEA)で得られた病理標本の組織学的検討に関する研究
    国立循環器病研究センター、兵庫医科大学、九州大学、同志社大学:2009年4月−2014年3月
  2. 肺静脈閉塞症についての病理病態解明と診断基準確立のための研究
    国立循環器病研究センター、国立病院機構岡山医療センター、杏林大学、千葉大学、京都大学、大阪大学:2010年4月−2014年3月
  3. 心筋生検標本を用いた肥大型心筋症の臨床像と予後の比較研究
    国立循環器病研究センター:2011年4月−2014年3月
研究業績
  1. Terasaki F, Morita H, Harada-Shiba M, Ohta N, Otsuka K, Nogi S, Miyamura M, Suzuki S, Ito T, Shimomura H, Katsumata T, Miyamoto Y and Ishizaka N. Familial hypercholesterolemia with multiple large tendinous xanthomas and advanced coronary artery atherosclerosis. Intern Med. 52, 577-581, 2013.