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人工臓器部

研究内容
植込み型医療機器用の抗感染性スキンボタン

植込み型医療機器用の抗感染性スキンボタン

植込み型補助人工心臓にとって、体内に植え込まれた人工心臓と体外の装置を繋ぐドライブラインは重要な部品の一つである。そのドライブラインが体内から皮膚を貫通する部位では、細菌感染によるドライブライン感染症が発症することがある。ドライブラインの皮膚出口部は、周辺組織との癒着が破綻しやすく、細菌が容易に侵入してしまうため、根治治療が困難で、時に重篤な全身感染に陥ることもあることから、患者様にとって大きな問題となる場合がある。生体適合性にすぐれたセグメント化ポリウレタンを使った大孔径多孔体により、周囲組織との強固な癒着の促進し、細菌感染を防止できる素材を開発した。ドライブラインからの過度な力を皮膚貫通部に伝えないように、多層フランジ構造のデザインを採用し、長期にわたりドライブラインと周囲の皮膚との癒着が破綻することを防止し、外部からの細菌感染を防ぐことが可能となった。動物実験では、約2年間の皮膚への装着後、日常の消毒処置を行わなくても、スキンボタンの脱落や細菌感染は認められず、ドライブライン感染症の防止に効果があると思われた。

図1

図: ドライブライン感染のメカニズム


図2

図: 開発したスキンボタン用材料の微視的構造

最終更新日:2021年10月01日

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