吉松 淳 医師

国立循環器病研究センター健康サポートセンターでの役割

心疾患を合併した女性の妊娠・分娩管理という難易度の高い診療を通して得た周産期医療に関する幅広い知識と技術をもとに無痛分娩、ハイリスク妊娠(高齢妊娠なども含みます)などについてアドバイスを致します。また、女性のライフサイクルに沿った診療をしています。思春期、成熟期、更年期のお悩みにもお答えいたします。

吉松 淳医師のプロフィール

産婦人科全般を診療していますが、特に妊娠・分娩の専門家として診療にあたっています。1987年大分医科大学医学部を卒業、2001年NIH/NICHDの Research Fellow, Special licensed doctorとして研究、臨床の研修を行いました。2006年に大分大学産科婦人科の准教授、2007年に国立循環器病研究センターに移って、2009年には大分大学地域医療産科婦人科の教授、2012年から現職の国立循環器病研究センター周産期・婦人科部(現 産婦人科)部長に就任しました。大阪産婦人科医会では母子保健担当の主理事をつとめ、大阪府全体の周産期医療の発展に尽力しております。また、妊婦と赤ちゃんの安全を守るために行われている妊産婦死亡評価委員会では中心的役割を果たしており、産科医療保障制度症例評価委員会では長く委員として母子の安全のための提言を全国に発信しています。
お産は無事生まれて当たり前と思われていますが決してそうではありません。私が診療で最も心がけていることは、安全な分娩を行うために取りうる手段は全て使うということです。実は当たり前ではない無事なお産を当たり前のように提供することができるよう、日々研鑽しています。もう一つ心がけていることは妊婦の皆さんに優しく接するということです。心が構えたままでは医療も体に入っていきません。産科医療の技術や知識が患者さんに最大限発揮できるよう研鑽を積むこと、そして、それらを十分に受け入れていただけるコミュニケーションを作り上げること、どちらも医療においてとても大切なことだと思っています。趣味はサックス、ラグビーです。ラグビーではプロップとしてスクラムの最前線にいました。

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心疾患を持つ女性の出産の管理、胎児の心臓疾患の診断を年間100例以上行っています
心疾患を持つ女性の出産の分娩には安全な無痛分娩が求められます

国立循環器病研究センターでの心疾患を合併した妊婦の診療は年間100例を超えます。これは我が国で最も多くの症例数になります。心疾患を合併した妊婦の分娩では心臓への負担を軽くするために無痛分娩を行います。適切な痛みの除去と心臓への負担の軽減を行いながら分娩をより安全に管理する技術はとても難易度が高いものです。心疾患合併妊娠の管理で培ったその技術で安全な分娩管理を提供しています。
同じように年間100例の胎児の心疾患の診断から分娩まで管理しています。胎児の心臓は直径3cmくらいの小さなものです。その中にあるミリ単位の構造を正確に診断し、出生後の治療に役立てています。その技術は心臓だけではなく、赤ちゃんの頭から足の先までをしっかり見ることにも生かされています。生まれてくる赤ちゃんへの診療は生まれる前から始まっているのです。生まれてからの治療に繋げられるよう技術の向上に努めています。

経歴

1987年 大分医科大学医学部卒業
1988年 大分医科大学医学部附属病院 産科婦人科
1994年 国立大分病院 産婦人科
1995年 大分医科大学医学部附属病院 産科婦人科
2001年 National Institute of Health/National Institute of Child Health and Disease,
    Perinatal research Branch, Research fellow
2006年 大分医科大学医学部附属病院 産科婦人科
2007年 国立循環器病センター 周産期治療部(現産婦人科)
2009年 大分大学医学部 地域医療・産婦人科 教授
2012年 国立循環器病研究センター 周産期・婦人科(現産婦人科) 部長

専門医・認定医

日本産科婦人科学会認定専門医
日本産科婦人科学会認定指導医
母体保護法指定医
日本周産期・新生児医学会暫定指導医
新生児蘇生法講習会インストラクター
J-MELSベーシックインストラクター

Best Doctors 2014-2015, 2016-2017, 2018-2019 選

テレビ、雑誌等で取り上げられた取材内容


NHK『目撃!にっぽん 命つなぐために~心臓病の女性 お産の現場~』

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/4359/1077278/index.html


OBS大分放送 ラジオ番組『50/50 Hearty Party!!』

2014年3月30日OA ゲスト出演 https://www.e-obs.com/blog/5050/400.html
2017年10月22日OA ゲスト出演 https://www.e-obs.com/blog/5050/1581.html


コラム1  産婦人科のチームを率いるということ

「One for All, All for One」これらはラグビーで使われる言葉です。ご存知のように産婦人科医は減少の一途をたどっています。そして産婦人科医でも分娩を取り扱わない医師の割合が増えています。それでも妊婦に安心してもらえる分娩を提供したいという志を持った産婦人科医はいます。そしてその数少ない産婦人科医がチームを組んだ時、まさにOne for All, All for Oneという考え方が重みを持ちます。私は国立循環器病研究センターの産婦人科という組織を預かって運営しながら、One for All, All for Oneというポリシーによってとてつもなく大きな力が現れることを実感しています。

「すごい戦略とか戦術を考えついたとします。でもそれだけではやるべきことの20%にしか過ぎない。それを仲間にどう説明して、自分のイメージ通りにできるか」
これは平尾誠二氏の言葉です。自分の考えを共有する事ができなければ自分のやりたいことはできません。どんなにすごい考えでもひとりでは何も実現できないのです。皆が同じ方向をむいて機能的に仕事を進めていくために必要なのはチームの共通理解です。そこに求められるのは「言葉」の力です。私に求められていることのひとつです。

「日常生活でいい判断ができないやつに、グランドでいい判断ができるわけない」
これもまた平尾誠二氏が常日頃言っていた言葉です。日常生活でいい判断ができれば、分娩室でいい判断ができるのかどうか、今の私にはまだわかりません。でも、日常では様々な判断が求められるのは事実です。そこで良い判断を下し続ける、、、。「One for All, All for One」の気持ちを持ったチームを作り、「言葉」の力で自分の考えをメンバーと共有して診療にあたっていく。それだけでも十分骨の折れることです。日常生活の良い判断は今後の課題とさせてもらっています。とはいえ平尾氏は私と同い年です。残念ながら鬼籍に入られましたが、同世代の天才が発した言葉に私はとても惹きつけられるのです。