平成28年度 国立循環器病研究センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 865 305 495 825 823 1145 2198 2996 1942 257
 当センターは最高レベルの医学を目指し、予防、診断、治療法の開発、成因、病態の解明から専門技術者の養成まで、病院、研究所、研究開発基盤センター、管理部門が一致団結して、成人、小児の心臓病、血管病および脳卒中などに代表される循環器病対策を総合的に推し進めています 。
 平成28年度の全退院患者数は11,851人で、高齢化社会を背景に循環器病疾患の有病率が増加していることから、最も多い年齢層は70歳~79歳で、全体の25.3%となっています。また0歳~9歳の年齢層についても7.3%を占めており、0歳児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんに対応できる機能を有しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
不整脈科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈/経皮的カテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション) 422 6.99 5.51 0.24 60.09
050070xx99000x 頻脈性不整脈/検査、治療 259 6.07 7.82 1.54 66.75
050210xx97000x 徐脈性不整脈/ペースメーカー移植術等 248 10.39 11.38 1.61 73.13
050070xx9700xx 頻脈性不整脈/ペースメーカー移植術等 71 14.04 14.15 2.82 63.41
050130xx99000x 心不全/検査、治療 43 15.56 17.95 2.33 80.00
 不整脈科の症例で最も多いDPCは頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療です。平成28年度の件数は422件で、平成27年度の445件からは大きく変化していません。
 カテーテルアブレーション治療については、特に最近は3次元マッピングシステムを用いたアブレーションや、心不全に対する再同期療法などの先進的な治療を行っています。また、QT延長症候群、ブルガダ症候群などの遺伝性不整脈疾患の遺伝子解析は国際的にも評価の高いものであり、基礎・臨床研究も精力的に行い、国際的に情報発信を行っています。
肺循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
04026xxx9913xx 肺高血圧性疾患/カテーテル検査・薬物治療(ボセンタン水和物等) 158 14.84 15.04 2.53 58.86
04026xxx01x3xx 肺高血圧性疾患/経皮的肺動脈形成術等・薬物治療(マシテンタン等) 134 10.70 13.32 0.00 66.45
04026xxx9910xx 肺高血圧性疾患/カテーテル検査 125 10.19 5.98 1.60 65.48
04026xxx01x0xx 肺高血圧性疾患/経皮的肺動脈形成術等 78 8.97 8.53 0.00 64.40
04026xxx9914xx 肺高血圧性疾患/カテーテル検査・薬物治療(プロスタグランジンI2製剤) 65 25.98 17.08 0.00 42.83
 肺循環器科の症例で平成28年度最も多かったDPCは肺高血圧性疾患に対する「カテーテル検査」および「ボセンタン水和物(商品名;トラクリア錠等)等の指定された薬物治療」です。件数は158件で、平成27年度の116件からは42件増加しています。
 肺循環器科では肺高血圧症に対する検査、治療のための入院が大部分を占めています。
 肺高血圧症は厚生労働省の指定難病で、当院は全国有数の肺高血圧症の専門治療施設です。長い歴史と700例以上の肺動脈性肺高血圧症を診療し、全国有数の経験をもとに非常に良い成績を上げています。また研究所や臨床病理部と共に遺伝子などの病気の発症するメカニズムに関する研究も行われており、最先端の診断、治療が行えるよう努力しています。
心不全科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx9910xx 弁膜症/カテーテル検査 265 9.66 6.03 1.13 72.21
050130xx99000x 心不全/検査、治療 122 18.02 17.95 3.28 75.41
050060xx99100x 心筋症(拡張型心筋症を含む)/カテーテル検査 81 10.64 7.88 0.00 58.38
050080xx9900xx 弁膜症/検査、治療 57 9.40 13.52 7.02 73.21
050130xx99020x 心不全/シンチグラム,中心静脈注射等 42 21.83 25.02 14.29 75.38
 心不全科の症例で平成28年度最も多かったDPCは心臓弁膜症に対するカテーテル検査です。件数は265件で、平成27年度の219件からは46件増加しています。
 心不全科では、心筋症・心不全の原因を調べるための検査入院、弁膜症の手術前検査入院などを担当しています。高齢化社会の進行とともに大動脈弁狭窄症や慢性心不全患者数は年々増加しており、入院患者の多くを占めています。また、原因不明の心筋症に関しては、若年者も含め全国より患者が紹介されており、各種検査を用いて確定診断を行っています。
冠疾患科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患/カテーテル検査 352 4.44 3.06 0.00 68.21
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患/経皮的冠動脈ステント留置術等 311 5.75 4.71 0.32 70.56
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患/カテーテル検査(血管内超音波検査等有) 164 3.66 3.22 0.00 69.97
050030xx97000x 急性心筋梗塞/経皮的冠動脈ステント留置術等 120 14.33 13.02 3.33 71.34
050050xx99000x 狭心症、慢性虚血性心疾患/検査、治療 64 6.59 6.75 0.00 71.42
 冠疾患科の症例で平成28年度最も多かったDPCは『狭心症、慢性虚血性心疾患に対するカテーテル検査』です。件数は352件で、平成27年度の340件からは12件増加しています。次いで多いのは、『狭心症、慢性虚血性心疾患に対するカテーテル治療』で件数は311件、平成27年度の307件から4件増加しています。
 冠疾患科では急性心筋梗塞、狭心症に対する的確な診断と高度な治療を行っています。症状が急激に起きた場合の緊急治療から原因となる動脈硬化に対する継続的治療まで、一貫して最高レベルの技術・最新の医学的知識・豊富な臨床経験を駆使して対応します。
血管科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患/四肢の血管拡張術・血栓除去術等 90 7.51 5.85 1.11 72.42
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患(足潰瘍等を伴う)/四肢の血管拡張術・血栓除去術等 27 18.85 12.46 29.63 73.19
050170xx99000x 閉塞性動脈疾患/検査、治療 16 8.44 8.28 6.25 71.25
050163xx99000x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/検査、治療 10 7.40 8.76 10.00 75.50
050163xx9910xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/カテーテル検査 - - 4.87 - -
 血管科の症例で平成28年度最も多かったDPCは閉塞性動脈疾患に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術等を実施したものです。件数は、足潰瘍等を伴うものを含めると117件で、平成27年度の132件からは15件減少しています。
 動脈硬化は、心臓の冠動脈をはじめ下肢動脈、腎動脈、頸動脈、鎖骨下動脈など全身の主要な動脈に及びます。血管科では全身の動脈硬化性疾患を包括的に管理治療していくことを実践し患者さんに負担の少ないエコー、CT、MRなどの画像診断と血流測定機器を駆使し血管疾患の迅速かつ正確に診断できる体制を整えています。内科的治療を基本とし、より積極的な治療が必要な場合には低侵襲なカテーテル治療等を行なっています。
重症心不全/移植医療部門
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050060xx99100x 心筋症(拡張型心筋症を含む)/カテーテル検査 101 7.81 7.88 0.00 45.47
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患/カテーテル検査(血管内超音波検査等有) 77 4.45 3.22 0.00 39.40
050060xx9700xx 心筋症(拡張型心筋症を含む)/植込型補助人工心臓等 49 16.29 15.01 0.00 45.00
050060xx9900xx 心筋症(拡張型心筋症を含む)/検査、治療 27 8.33 15.49 3.70 42.70
050060xx9702xx 心筋症(拡張型心筋症を含む)/植込型補助人工心臓等、画像診断等 21 190.19 41.86 4.76 40.71
 移植医療部では循環器内科医師が中心となり、従来の治療法では救命困難な急性重症心不全例(劇症型心筋炎などの心原性ショック症例等)に対する左室補助人工心臓といった機械的補助循環を用いた心不全集学的治療や、拡張型心筋症や心筋梗塞後の慢性重症心不全症例に対する左室補助人工心臓、心臓移植治療を含めた集学的治療を行なっています。また拡張型心筋症や心臓移植後は定期的な検査が必要なため心臓カテーテル検査を含む入院が上位を占めています。
 具体的には、重症心不全・移植医療部の症例で平成28年度最も多かったDPCは心筋症に対するカテーテル検査を実施した症例で、心臓移植・補助人工新オズの適応判定のための検査です。その他、当院の特徴になりますが、心臓移植後の拒絶反応を診断するための心筋生検、移植互換動脈硬化症を診断するための冠動脈造影、血管内超音波検査も多く行っています。補助人工心臓装着患者の心機能の経過を見るための検査も行っています。 
脳血管内科/脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(発症3日目以内/JCS10未満)/薬物治療 140 16.38 16.54 37.14 70.49
010070xx99020x もやもや病、脳動脈閉塞・狭窄症等/画像診断・検査 137 6.92 5.74 0.00 69.35
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)/検査、治療 94 19.77 19.35 68.09 68.02
010230xx99x20x てんかん/画像診断 82 11.13 14.25 8.54 73.65
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作/検査、治療 75 7.69 6.38 2.67 72.20
 脳血管内科/脳神経内科の症例で平成28年度最も多かったDPCは来院時(または発症時)の意識障害の程度がJCSという評価基準でⅡ-10未満の脳梗塞に対してエダラボン(商品名:ラジカット等)を投与した症例です。脳梗塞のDPCコードは細かく分かれていますので、【010060x2990401】というDPCコードの症例件数は140件となりますが、「脳梗塞に対してエダラボンを投与した症例(併せてt-PAを投与した症例を含む)」という条件で集計すると、件数は449件になります。
 脳血管内科/脳神経内科では、脳卒中ケアユニット(SCU)での集約的な急性期内科治療を行っております。tPA静注療法を始めとする急性期の内科治療や、脳血管障害の超音波検査や画像検査などの診断法の確立に、全国の中心施設として貢献してきました。多い症例は、脳梗塞の症状を改善する薬物治療、リハビリ、食事療法で、もやもや病や脳血管障害の画像診断検査となっております。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤/カテーテル検査 165 4.11 3.20 0.00 61.44
010070xx9912xx もやもや病、脳動脈閉塞・狭窄症等/カテーテル検査、画像診断・検査 104 6.52 5.52 0.00 40.44
010010xx99030x 脳腫瘍/放射線療法(ガンマナイフ) 74 2.96 9.60 2.70 71.45
010070xx01x20x もやもや病、脳動脈閉塞・狭窄症等/脳血管内手術等、画像診断 72 19.68 20.52 5.56 43.58
010070xx99020x もやもや病、脳動脈閉塞・狭窄症等/画像診断 68 5.28 5.74 0.00 44.56
 脳神経外科の症例で平成28年度最も多いDPCは未破裂脳動脈瘤に対するカテーテル検査を実施した症例です。件数は165件で、平成27年度の194件からは29件減少しています。これは、カテーテル検査以外の検査に基づき治療を行った件数が増加したためと考えられます。治療を実施した症例では、もやもや病、脳動脈閉塞・狭窄等の脳血管障害に対して直達手術、脳血管内手術等およびSPECT等の画像診断を実施した症例で、平成28年度の件数は72件でした。
 顕微鏡手術(マイクリサージェリー)、血管内手術(カテーテル治療)、定位放射線照射(ガンマナイフ)の3つを最高水準で提供できることが、当科の最大の特色です。脳外科専用の集中治療室(NCU)を完備し、緊急脳神経外科手術及び血管内治療については24時間体制で行っており、脳血管内科・脳神経内科と連携して急性期脳卒中診療を行っています。急性期治療以外でも、他施設より紹介される脳動脈瘤、脳動静脈奇形、もやもや病、頚動脈狭窄などありとあらゆる種類の脳血管障害の治療に取り組んでいます。特に、通常の方法では治療困難と思われる症例に対しても、手術・血管内治療・ガンマナイフを駆使した複合治療で好成績をおさめています。また、脳血管障害の治療で培った技術を生かして、良性脳腫瘍や三叉神経痛・顔面痙攣などの疾患の治療にも力を注いでいます。
高血圧/腎臓科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全/検査、治療 40 11.38 12.84 2.50 67.70
100180xx99000x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍/検査、治療 32 4.50 6.12 0.00 62.69
100310xx97xxxx 腎血管性高血圧症/腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術)等 19 6.37 6.83 0.00 66.79
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全/経皮的針生検法 11 6.55 7.58 0.00 51.82
050140xx99x00x 高血圧性疾患/検査、治療 11 11.36 9.30 0.00 61.55
 高血圧/腎臓科の症例で平成28年度最も多いDPCは慢性腎不全等に対する検査、治療を実施した症例です。件数は40件で、平成27年度の32件からは8件増加しています。また、平成27年度40件で最も多かった原発性アルドステロン症に対する診断等のDPCは、平成28年度は32件で8件減少しています。
 原発性アルドステロン症および慢性腎炎症候群の診断に関しては、「原発性アルドステロン症診断4日間」および「腎生検4日間のクリニカルパス」を用いています。慢性糸球体腎炎について、頻度の高いIgA腎症の場合、「IgA腎症ステロイドパルス治療クリニカルパス17日間」を用い、抗免疫治療を行わない場合、「腎炎・腎不全教育入院9日間クリニカルパス」を用いて入院加療を行っています。また、高血圧性疾患の検査入院には多くの場合、「高血圧教育入院7日間のクリニカルパス」を用いています。高血圧・腎臓科ではこれらのクリニカルパスを利用することで入院期間短縮、診断や治療方法の標準化を進めています。
糖尿・代謝
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x000 2型糖尿病(末梢循環不全なし)(85才未満)/血糖コントロール及び教育 49 12.18 11.48 0.00 71.04
100070xx99x100 2型糖尿病(末梢循環不全なし)(85才未満)/インスリン製剤(注射薬)による治療 30 13.33 14.61 0.00 64.27
100071xx99x100 2型糖尿病(末梢循環不全あり)(85才未満)/インスリン製剤(注射薬)による治療 27 14.00 14.91 0.00 69.22
100071xx99x000 2型糖尿病(末梢循環不全あり)(85才未満)/血糖コントロール及び教育 24 11.92 12.20 0.00 72.71
100120xx99xxxx 肥満症/治療及び教育 22 17.55 17.96 0.00 60.68
 糖尿/代謝科の症例で最も多い症例は、2型糖尿病の教育入院です。2型糖尿病のDPCは平成28年度の件数は182件(上記の表以外の件数含む)で、平成27年度の133件から49件増加しています。
 糖尿/代謝科では、最新の医学的知見に立脚してこれらの病気に対する専門的な診療を行い、合併症を予防することを目標にしています。特に、臨床面ではインスリン抵抗性(インスリンが働きにくく血液中のインスリンが多くなる状態)と内臓脂肪型肥満(皮下よりもお腹に脂肪が貯まる状態)を含めた肥満および脂質異常症の是正を重点的に行い、動脈硬化の進展予防に力を入れています。また研究面でも、病院の他の臨床部門、予防健診部、研究所の生化学部、病態代謝部、オミックス解析推進室などと連携して、循環器疾患制圧のために生活習慣病の病態理解とその克服を目指しています。
小児循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く)(1才以上)/カテーテル検査 206 11.34 4.39 0.00 13.73
14031xx09900xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く)(1才以上)/検査、治療 94 7.64 6.17 0.00 12.54
14029xxx97x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症/経皮的心房中隔欠損閉鎖術等 86 8.27 6.45 0.00 20.09
14029xxx9900xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症/検査、治療 61 2.07 4.98 0.00 7.93
14031xx004x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く)(1才以上)/経皮的肺動脈形成術等 52 10.96 5.91 0.00 11.23
 小児循環器科の症例で平成28年度最も多いDPCは、両大血管右室起始症やファロー四徴症等の先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く)に対するカテーテル検査を実施した症例です。件数は206件で、平成27年度の192件からは14件増加しています。また、カテーテル手術を実施した症例では、動脈管開存症、心房中隔欠損症に対して経皮的動脈管開存閉鎖術、経皮的心房中隔欠損閉鎖術を実施したDPCが最も多く、平成28年度の件数は86件で、平成27年度の79件から7件増加しています。
 小児循環器科では、生まれつき心臓の構造に病気のある先天性心疾患患者さんの診断と治療を中心として、学校検診で見つかる不整脈、心筋疾患、肺高血圧、川崎病冠動脈障害、慢性心不全患者さんの診断と治療など、広い範囲の診療内容を担当しております。また患者さんの年齢も、胎児から新生児、乳幼児、学童、そして成人に達した患者さんまで、幅広い年齢層の方々を担当しております。
小児心臓外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14029xxx9900xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症/検査、治療  - - 4.98 - -
14031xx101x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く)/手術 - - 40.36 - -
050050xx97x1xx 狭心症、慢性虚血性心疾患/手術 - 30.09 - -
180040xx97x0xx 手術・処置等の合併症/手術 - - 15.58 - -
- - - - - - -
 小児心臓外科では、先天性心疾患、あるいは小児期の心臓血管疾患に対する外科的治療を行っています。先天性心疾患に対しては、新生児から成人期まで、術後遠隔期のあらゆる病変を含めて全ての外科治療に対応しています。特に複雑先天性心疾患治療の領域では1978年の開設以来これまでに約7,500例の人工心肺を用いた手術、900例以上の新生児手術を手がけています。我々は当センター開設以来、小児循環器科と一体となった診療体制をとっており、24時間365日対応できる体制を整えています。
心臓外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症/弁置換術等 131 16.58 24.70 3.05 65.67
050080xx9701xx 弁膜症/経カテーテル大動脈弁置換術等 73 16.04 23.73 8.22 83.15
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患/冠動脈、大動脈バイパス移植術等 70 17.66 23.36 5.71 65.86
050070xx9701xx 頻脈性不整脈/ペースメーカー移植術等(特定処置有り) 27 17.19 30.39 7.41 69.41
050163xx01x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)弓部大動脈瘤等 14 19.43 29.69 7.14 65.00
 心臓外科の症例の多様化によりDPCの分散、非DPC症例の増加が特徴的です。また、治療の質の向上を目指し、結果として平均在院日数を減らしています。症例で平成28年度最も多いDPCは、弁膜症に対する弁置換術等を実施した症例です。また、【050080xx9701xx】のDPC73件のうち、弁膜症に対して経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術)を実施した症例数は、平成28年度53件ございます。
 心臓外科では虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈、慢性心不全などを扱っています。また緊急治療を要するものは、ICU・CCUとの連携のもと24時間受け入れ態勢をとっています。最重症例に対しても積極的に手術を施行し、治療目的として単なる延命ではなく、生活の質(QOL)向上が第一義と考えています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)等 63 30.59 28.23 17.46 64.83
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/ステントグラフト内挿術(特定処置なし) 61 14.64 12.74 3.28 78.79
050163xx03x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/ステントグラフト内挿術(特定処置あり) 55 22.09 16.98 23.64 78.40
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)腹部大動脈瘤(その他のもの)等 48 19.75 21.94 2.08 71.60
050163xx99000x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤/検査、治療 48 10.71 8.76 0.00 73.83
 血管外科の症例で平成28年度最も多いDPCは、解離性大動脈瘤に対する大動脈瘤切除術等を実施した症例です。症例数は63件です。また、非破裂性大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術を実施したDPCにおいては、【050163xx03x0xx】と【050163xx03x10x】を合算すると、平成28年度の症例数は116件であり、平成27年度96件よりも20件増加しています。
 血管外科では大動脈、肺動脈、および末梢血管の疾患の治療を行っています。大血管を中心に血管疾患の外科治療を担当しています。急性大動脈解離や大動脈瘤破裂などの急性大動脈症候群にも昼夜をとわず24時間体制で積極的に対応しています。直達開胸手術だけではなく、低侵襲なステントグラフト治療も高齢者や手術リスクが高い患者さんにおこなっています。当センター開設以来胸部大動脈手術は3500件、腹部大動脈手術は2500件を超えており、スタッフ全員が心臓血管外科専門医であるため大動脈疾患以外にも冠動脈疾患、弁膜疾患の合併にも十分対応できます。
周産期
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常/検査、分娩 114 8.57 6.86 0.88 32.61
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上)/検査、治療 87 9.84 6.18 2.30 0.00
120170xx99x0xx 早産、切迫早産/検査、治療 34 15.68 20.79 5.88 32.32
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常/帝王切開等 26 18.69 9.88 0.00 32.46
120150xx99xxxx 妊娠早期の出血/検査、治療 20 10.90 12.76 0.00 33.25
 周産期・婦人科の症例で平成28年度最も多いDPCは、胎児及び胎児付属物の異常に対して検査、治療等を実施した症例です。症例数は114件で、平成27年度の92件からは22件増加しています。
 周産期・婦人科部では年間約300例の分娩を取り扱っています。センターの特性を生かした妊娠・分娩管理をその中心に据えています。具体的には次の3つを診療の柱としています。①心疾患を持つお母さんの妊娠・分娩管理、②脳血管疾患を持つお母さんの妊娠・分娩管理、③赤ちゃんに心疾患があるお母さんの妊娠・分娩管理です。医学的アドバイスを十分理解していただき、本人の希望、家族の意志を尊重し、他科との協力の元、集約的な管理を行っています。また、産後フォローまでの周産期管理を行っているため、低出産体重で生まれた新生児等の出生後の検査、経過観察入院の件数も多くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1
大腸癌 - - - - - - 1
乳癌 - - - - - - 1
肺癌 - - - - - 63 1
肝癌 - - - - - - 1
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 初発患者はUICC-TNM分類から示される病期分類による患者数、再発患者は再発だけでなく、初回治療(がんと診断され初めに計画された一連の治療)後に転移と診断された患者数も含まれます。10人未満の数値は-で表示しております。

解説
 がんの病期分類は、がんがどれくらい進行しているのかという病期・進行度を意味し、 Stage0からStageIVまであり、StageIVは最も進行しているがんです。
 当院の症例は遠隔転移を認める stage IV が多くなっております。 これは当院がガンマナイフ(定位放射線治療)を有し、転移性脳腫瘍の症例を近隣の医療機関、 がん診療拠点病院から受け入れ、密接な連携を保ち、積極的に診療していることによります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 31 13.97 74.87
重症 13 15.38 79.92
超重症 - - -
不明 - - -
○定義
 成人の市中肺炎の患者で、入院契機病名及び最も医療資源を投入し傷病名が肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎もの。
 インフルエンザ等、ウイルス肺炎、誤嚥性肺炎は除外する。
 肺炎の重症度をA-DROPを使用して分類しています。
 A-DROP:以下の項目のうち入院時(入院中に発生した場合は発症時)の状態に該当する項目の数 (1つの項目に該当すれば1点;5点満点)
  ・男性70歳以上、女性75歳以上
  ・BUN 21mg/dL以上または脱水あり
  ・SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
  ・意識障害あり
  ・血圧(収縮期) 90mmHg以下
  【0点:軽症、 1~2点:中等症、 3点:重症、 4~5点:超重症、 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合】

○特徴
 当院は循環器病の高度専門病院のため、軽症の場合でも循環器疾患の既往があり重症化を危惧され入院となるケースがあります。
 市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化していることが分かります。
 なお、この指標には表されておりませんが、重症および超重症の患者様の7割以上が救急搬送によって搬送されています。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 80 9.03 71.63 5.00
その他 31 9.35 71.74 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 660 20.27 73.35 43.33
その他 163 15.09 70.05 12.88
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 218 9.16 70.34 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 79 6.80 57.72 0.00
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 165 9.31 30.61 0.00
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
 脳梗塞のICD10=国際疾病分類別患者数
 本格的な脳卒中ケアユニット(SCU)を国内ではじめて立ち上げ、24時間365日体制で急性期脳卒中患者さんを断らずに受け入れています。脳神経外科と良好に連携し、外科手術が必要な場合は遅れることなく外科治療を受けられます。急性期 診療に引き続き、近隣の医療機関に転院して回復期機能訓練を滞らずに受けられるよう、地域医療連携を推進しています。
 脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳内・脳外動脈の狭窄及び閉塞、もやもや病など全国から紹介され多数の患者さんを診療しております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
不整脈科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 309 2.36 4.72 0.00 62.77
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 131 5.85 7.37 3.05 74.08
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 122 2.16 3.55 0.82 53.53
K597-2 ペースメーカー交換術 93 1.97 5.35 0.00 76.17
K599-2 植込型除細動器交換術 45 1.91 5.60 4.44 67.20
 不整脈科部門の手術件数で最も多い手術は、経皮的カテーテル心筋焼灼術で、「心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの」「その他のもの」を合わせると平成28年度は431件実施しています。平成27年度の464件からは大きく変化していません。
 経皮的カテーテル心筋焼灼術(アブレーション)は心臓に入れた細い管(カテーテル)の先から高周波を流し、心筋の一部に熱を加えて火傷させ、不整脈の原因をなくしてしまう治療法です。心臓の形態をリアルタイムに表示する最新の3次元マッピング装置や、高い安全性と効果を実現したイリゲーションカテーテルなど、医療技術の進歩により実用可能となった最新の機器を用いてアブレーション治療を行っています。
肺循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K570-3 経皮的肺動脈形成術 220 3.90 5.32 0.00 65.38
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 39 2.41 7.15 0.00 64.51
K592-2 肺動脈血栓内膜摘除術 17 18.41 47.88 5.88 62.82
K6233 静脈形成術、吻合術(その他の静脈) 15 2.47 10.27 6.67 59.40
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
 肺循環器科において、平成28年度最も多い手術は経皮的肺動脈形成術で慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療です。件数は220件で、平成27年度184件から36件増加しています。全国から全国有数の肺高血圧症専門治療施設である当院で治療を受けられています。2番目に多い手術は経皮的心房中隔欠損閉鎖術で心房中隔欠損症に対するカテーテル治療です。成人先天性心疾患の患者さんは心臓だけでなく肺血管にも異常を持つ場合があり、また肺高血圧症を合併することもあります。肺循環科では小児循環器科、小児心臓外科と連携して診断、治療を行なっています。
心不全科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 14 17.29 9.36 0.00 73.00
K599-3 両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術 11 12.91 18.09 9.09 62.27
K5991 植込型除細動器移植術(経静脈リードを用いるもの) - - - - -
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) - - - - -
K6001 大動脈バルーンパンピング法(初日) - - - - -
 心不全科は、弁膜症や慢性心不全の検査入院や急性心不全に対する薬物治療のための入院が多いため、手術件数は少ない状況です。ペースメーカー移植術等必要な場合には、多くは不整脈科へ入院して実施しています。
冠疾患科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 259 2.48 3.77 0.77 71.38
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 127 0.05 14.13 4.72 72.88
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 80 0.00 18.08 7.50 67.58
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 27 3.52 2.48 0.00 71.59
K5481 経皮的冠動脈形成術特殊カテーテルによるもの(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルによるもの) 19 2.95 8.11 10.53 72.95
 冠疾患科において、平成28年度最も多い手術は急性心筋梗塞、狭心症の治療である経皮的冠動脈ステント留置術です。件数は、「急性心筋梗塞に対するもの」「不安定狭心症に対するもの」「その他のもの」合わせて466件で、平成27年度423件から43件増加しています。
 経皮的冠動脈ステント留置術等のカテーテル治療(PCI)では、ロータブレーター(カテーテルの先端に小さなダイヤモンドの粒を装着した丸い金属を、非常に高速に回転させることで、石灰化した固い病変を削ることができます)や、薬物溶出性ステント(冠動脈ステントを構成するステンレスの金網の表面に再狭窄を予防する効果のある薬剤をコーティングしたものです)など最先端技術を取り入れるとともに、心血管イメージングや機能検査法を組み合わせて必要な時に必要な血管に対してカテーテル治療を実施しています。
血管科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 132 3.70 7.09 8.33 71.98
K6082 動脈塞栓除去術(その他のもの(観血的なもの)) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K6093 動脈血栓内膜摘出術(その他のもの) - - - - -
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) - - - - -
 血管科において平成28年度最も多く実施している手術は、下肢閉塞性動脈硬化症、重症虚血肢、バージャー病等症例に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術です。件数は132件で、平成27年度147件から15件減少しています。
 血管科では、血行再建(カテーテル治療等)が必要な患者さんかどうかを見極めて治療方針を決定しています。内科的治療が基本ですが、当院では重症の患者様が多く来院されるため年間200-300例のカテーテル治療を実施し、困難なケースを含めても90%以上の手術成功を収めています。
重症心不全/移植医療部門
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K604-24 植込型補助人工心臓(非拍動流型)(91日目以降) 83 3.89 23.41 0.00 46.25
K604-21 植込型補助人工心臓(非拍動流型)(初日) 11 30.91 145.27 18.18 47.73
K5541 弁形成術(1弁のもの) - - - - -
K6031 補助人工心臓(初日) - - - - -
K605-2 同種心移植術 - - - - -
 重症心不全・移植医療部において平成28年度最も多い手術は、「植込型補助人工心臓(非拍動流型)(91日目以降)」になります。これは、特発性拡張型心筋症や重症心不全症例に対し植え込型補助人工心臓手術をおこなった後、心機能評価や合併症の加療を行うために再度入院した場合に手術項目に算定することになるためです。
 重症心不全・移植医療部では、実際の診療は心臓血管内科部門、心臓血管外科部門や他の病院各部門と連携して行いますが、2017年4月現在、350例近いの左室補助人工心臓(LVAD)装着と、95例の心臓移植を行っています。平成28年度は、人工心臓装着数52件(体外式20件、小児用EXCOR2名、植込み型30件)、心臓移植17名(総計95名)で国内最多です。
脳血管内科/脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 59 0.02 22.85 64.41 75.37
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 - - - - -
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) - - - - -
 脳血管内科/脳神経内科において、平成28年度最も多い手術は経皮的脳血栓回収術です。件数は59件で、平成27年度48件から11件増加しています。
 脳血管内科/脳神経内科では、脳卒中ケアユニット(SCU)での集約的な急性期内科治療を行っております。tPA静注療法を始めとする急性期の内科治療や、脳血管障害の超音波検査や画像検査などの診断法の確立に、全国の中心施設として貢献してきました。多い症例は、脳梗塞の症状を改善する薬物治療、リハビリ、食事療法で、もやもや病や脳血管障害の画像診断検査となっております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 71 1.41 26.55 26.76 63.39
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 69 0.54 12.09 17.39 77.86
K1781 脳血管内手術(1箇所) 66 4.06 24.47 18.18 60.11
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 62 3.98 22.65 12.90 36.82
K6092 動脈血栓内膜摘出術(その他のもの) 28 8.82 17.54 21.43 73.50
 脳神経外科では、未破裂脳動脈瘤のクリッピング(1箇所)、外傷性慢性硬膜下血腫等への慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術脳血管内治療(コイル塞栓術)が、手術件数は多くなります。
 この他にも、もやもや病等へのバイパス手術、ステント留置、脳出血の血腫除去やドレナ-ジ、頭蓋骨形成、脳腫瘍等の手術を最高水準で行っております。
高血圧/腎臓科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) 20 3.55 3.20 0.00 67.70
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
 高血圧/腎臓科において、平成28年度最も多い手術は腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術)です。件数は20件で、平成27年度16件から4件増加しています。
 経皮的腎血管拡張術による腎血管性高血圧の治療はクリニカルパスを用いることで入院期間の短縮と治療の標準化を進めています。
小児循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 65 3.06 4.75 0.00 21.72
K570-3 経皮的肺動脈形成術 56 2.59 6.43 0.00 4.77
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) 35 4.31 7.37 0.00 29.80
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) 26 5.92 27.23 11.54 3.00
K5621 動脈管開存症手術(経皮的動脈管開存閉鎖術) 22 2.41 3.23 0.00 16.73
 小児循環器科において、平成28年度最も多い手術は経皮的心房中隔欠損閉鎖術です。症例数は65件で、平成27年度48件から17件増加しています。また、平成27年度62件で最も多かった経皮的肺動脈形成術は、平成28年度は56件で6件減少しています。
 心臓病のお子さま達に低侵襲な診断・治療法で行うことも大切な課題です。現在では、カテーテル治療数は年間約250例と国内最多の実績があります。とくに心房中隔欠損のカテーテル治療では、全国で最初に導入した施設の一つとして、現在も指導的な役割を果たし続けています。
小児心臓外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5673 大動脈縮窄(離断)症手術(複雑心奇形手術を伴うもの) - - - - -
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独のもの) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
 小児心臓外科では、先天性心疾患、あるいは小児期の心臓血管疾患に対する外科的治療を行っています。先天性心疾患に対しては、新生児から成人期まで、術後遠隔期のあらゆる病変を含めて全ての外科治療に対応しています。特に複雑先天性心疾患治療の領域では1978年の開設以来これまでに約7,500例の人工心肺を用いた手術、900例以上の新生児手術を手がけています。我々は当センター開設以来、小児循環器科と一体となった診療体制をとっており、24時間365日対応できる体制を整えています。
心臓外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 91 4.38 13.34 9.89 68.88
K5551 弁置換術(1弁のもの) 76 3.93 14.30 9.21 69.09
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 62 3.97 8.95 6.45 83.18
K5541 弁形成術(1弁のもの) 33 4.24 9.52 3.03 57.15
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上のもの) 30 6.27 14.60 13.33 67.70
 心臓外科において、平成28年度最も多い手術は「冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの)」です。症例数は91件で、平成27年度107件から16件減少しています。
 心臓外科では虚血性心疾患、心臓弁膜症、不整脈、慢性心不全などを扱っています。また緊急治療を要するものは、ICU・CCUとの連携のもと24時間受け入れ態勢をとっています。最重症例に対しても積極的に手術を施行し、治療目的として単なる延命ではなく、生活の質(QOL)向上が第一義と考えています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5611 ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 71 4.66 16.80 14.08 75.23
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 63 3.13 13.52 9.52 79.68
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)) 39 3.97 16.36 2.56 67.38
K5607 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(腹部大動脈(その他のもの)) 36 5.69 21.44 13.89 70.28
K5605 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(胸腹部大動脈)) 32 7.34 33.16 12.50 60.28
 血管外科において、平成28年度最も多い手術はステントグラフト内挿術です。「胸部大動脈に対するもの」と「腹部大動脈に対するもの」を合算すると、症例数は134件で、平成27年度113件から21件増加しています。
 これまでは大動脈瘤に対する手術法としては、人工血管置換術が大半を占めていましたが、最近は「ステントグラフト留置術」と呼ばれる体の負担の少ない血管内治療も盛んに行われるようになりました。
 従来の人工血管置換術は、直接大動脈瘤を露出する必要があり、大きな創をつくらなければ手術ができませんでした.しかし、ステントグラフト留置術は足の付け根の小さな創から、カテーテルという細い管を使って折りたたんだ人工血管を大動脈瘤の中に留置する方法ですので、体の負担がとても小さくなります。体の負担が少ない低侵襲な治療法としての特長を生かし、高齢者の患者さんや従来の手術の危険性が高い患者さんを中心にこの方法を実施しています。以前であれば手術侵襲の大きさから大動脈手術をあきらめざるを得なかった患者さんにとっても大きな福音となっています。
周産期/婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 48 19.19 11.56 6.25 32.85
K895 会陰(陰門)切開及び縫合術(分娩時) 33 10.12 6.21 3.03 30.76
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 29 11.41 9.90 0.00 32.79
K893 吸引分娩術 23 9.00 8.09 0.00 32.78
K8961 会陰(陰門)裂創縫合術(分娩時)(筋層に及ぶもの) 23 9.39 6.61 4.35 33.65
 周産期/婦人科において、平成28年度最も多い手術は緊急帝王切開術です。症例数は48件で、平成27年度45件と大きな変化はございません。
 予定での反復帝王切開、自然分娩がハイリスクな患者様の分娩、分娩時異常に対する帝王切開術(緊急)等の対応を行える体制を整えています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 25 0.21
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 58 0.49
異なる 40 0.34
 入院契機の同一・異なるとは、入院するきっかけとなった病名と、入院期間の主な治療が同一か異なるかを区別しております。

 『手術・処置等の合併症』は、人工的な挿入物の感染(ペースメーカ-植込み等)があります。
 合併症・創部の感染症の発生率は1%未満となっております。
更新履歴
平成29年9月28日
平成28年度国立循環器病研究センター病院指標公開
平成29年10月5日
重症心不全/移植医療部門(診断群分類別患者数等、診療科別主要手術別患者数等) 解説更新

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