国立循環器病研究センター

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医工連携により民間企業と共同開発した”心臓レプリカ”が、第5回「ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞」を受賞しました

当センターの小児循環器 白石公部門長と株式会社クロスエフェクトが医工連携により共同開発した、立体構造が複雑な心臓の形状を内部構造までリアルに再現した「心臓レプリカ」が、第5回「ものづくり日本大賞(内閣総理大臣賞)」を受賞しました。医療機器分野で唯一の受賞です。

3Dプリンターを活用した高付加価値な製品により中小企業が医療分野に進出する理想的な事例であることと、オーダーメイドの術前モデルは国際的にも評価が高く、国内の医療現場だけでなくアジアからの医療ツーリズムへの貢献やニッチ領域でグローバルトップになる可能性が期待できることが、受賞の理由でした。

本レプリカは、CTスキャンの画像データから同社独自の高速光造形法という超精密3Dプリンター技術と同社の特許技術であるハイブリッド真空注型という最新の鋳型技術を組み合わせて作成されており、心臓の外形だけでなく内部も詳細に再現することができます。このため、手術前に切開や縫合等のシミュレーションが可能になるほか、患者様への説明や若手医師の教育等にも用いることができると期待されています。本レプリカは、特に心臓の構造が複雑な先天性心疾患を抱えるお子さんたちの心臓手術に役立つと考えます。

まだ開発途上の技術であるために、CTスキャンから得られる画像や造形技術の限界から非常に薄い弁や糸のような腱索とよばれる心臓内部の組織を100%忠実に再現することはできませんが、本レプリカが近い将来に広く臨床現場で使用が可能になるよう、当センターでは引き続き同社と連携して技術改良に努めます。

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最終更新日 2013年09月24日

最終更新日:2021年09月30日

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