国立循環器病研究センター

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山口 武典・国立循環器病研究センター名誉総長が瑞宝中綬章を受勲

山口 武典・国立循環器病研究センター名誉総長

山口武典先生は、昭和11年に鹿児島市に生まれ、現在74歳。昭和35年に九州大学医学部を卒業し、九州大学内科学第二講座に入局。米国メイヨクリニックに留学の後、九州大学医学部講師を経て、昭和52年の国立循環器病センター開設時に内科脳血管部門主任医長として赴任。その後同部門部長、副院長を経て、平成9年に病院長、さらに、平成12年に総長に就任。現在は国立循環器病研究センター名誉総長。この間、国際脳卒中学会(International Stroke Society、現在の世界脳卒中機構、World Stroke Organization)の事務総長、副理事長、理事長として会の発展に尽力。国際急性期脳梗塞線溶療法シンポジウム(International Symposium on Thrombolytic Therapy in Acute Ischemic Stroke)会長や、日本脳神経超音波学会理事長・同会長、日本脳卒中学会会長、日本脳循環代謝学会会長などを歴任。現在は財団法人循環器病研究振興財団の理事長として、循環器病領域の研究の振興や研究者育成等の事業を進め、また社団法人日本脳卒中協会の理事長として、脳卒中に関する一般市民啓発活動や脳卒中患者会との交流事業等も精力的に行っておられます。現在、最も精力を注いでおられるのは、「脳卒中対策基本法(案)」の法制化で、国会議員の方々や厚生労働省にも働きかけて、何とか実現させようと努力中です。

山口先生は創成期の国立循環器病センター脳血管内科を支え、脳卒中急性期診療に関する数々の新知見を国内だけでなく広く世界に発信し、「内科医が脳卒中を診断し治療する」という、ごく当然でありながら未整備であった診療スタイルを全国に根付かせることに尽力されました。とくに脳梗塞患者への血栓溶解療法(tPA静注療法)の国内での開発、適応拡大の認可、認可後の医師啓発という大きな流れを制御し、脳卒中診療に大きな変革をもたらしました。心原性脳塞栓症の診断と内科治療の開発にも早くから関わられ、高齢者における発症・再発予防のための低用量ワルファリン療法の開発にも貢献されました。多くの後進を育てて現在の脳卒中医学隆盛の基盤を築いたことも、山口先生のご功績として皆が認めるところです。

その温厚で責任感の強いお人柄を慕う同僚・後輩は多く、海外にも幅広く交友関係を得て、国内外の脳卒中医学研究の橋渡し役を務めておられます。幅広い研究活動に対して、脳卒中研究の国内第一人者に贈られる美原賞(1994年)や世界脳卒中機構(World Stroke Organization)の President Award for Stroke Service(2008年)を贈られたほか、2010年秋には脳卒中研究の世界的権威に贈られるKarolinska Stroke Awardの受賞者に選ばれ、今回の受勲と合わせて嬉しいニュースが続きました。現在も、ご多忙の中をスポーツにも汗を流し、文武両道を貫く永遠の青年医師として、診療・研究活動を続けておられます。

最終更新日 2011年03月29日

最終更新日:2021年09月30日

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