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東日本大震災被災地における循環器病対策の提言(第3回)

平成23年8月17日

 

国立循環器病研究センターでは、平成23年7月19日から22日にかけて岩手県に調査チーム第2班(リーダー;峰松一夫副院長)を派遣したところです(「調査派遣チーム活動記録岩手県派遣チーム3(pdf 3.3MB)」を参照 )。

 

今回、このチーム報告を受け、被災地の今後の循環器病を「押さえ込む」という観点から、以下の項目につき提言を行います。今回で第3回目になります。前回前々回と同じく、すでに実施されているものについては、重複をご容赦下さい。

 

(1)   食と見守りについての提言

【提言】

①    仮設住宅における「食」の問題と循環器病対策

②    「食」と「こころ」の問題解決に役立つ仕組みの構築

 

東北地方はもともと塩分摂取量が多く、脳卒中などの循環器疾患のリスクが高い地方として知られています。震災後は高血圧の頻度・程度が以前より高くなり、かつ持続しているとの情報があり、今後の脳卒中、心筋梗塞、心不全等の増加が大変心配されます。その要因として、被災後の食生活が保存食中心で塩分が多く、新鮮な野菜や果物、魚介類が少ないこと、長期間続くストレスの悪影響等の問題がクローズアップされています。

避難所での食事は、それでも災害救助法の適用を受けるため無料配給されていましたが、仮設住宅ではその適用外となるため、自立した生活が必要となります。多くの被災者が肉親を亡くし、生活基盤を失い、義援金配布も遅れています。仮設住宅では、食材を含めた物資調達、自炊等も困難な場合が少なくありません。このため、保存食中心の生活が続き、特に高齢者、独居者の食生活は、循環器病予防の観点から問題が多いと推測されます。

今後は、健康維持、循環器病予防のためのよりよい食生活の確立が急がれます。加えて、新生活が安定するまでの高齢者、独居者の見守りも必要です。国立循環器病研究センターは、より健康的で美味しい食材や弁当のデリバリーサービス、集会場での集団食事サービスの展開、調理教室の開催等を通じて、被災地の「食」と「こころ」の問題を解決することを提言します。これらは同時に、食材の地産地消、関連産業における雇用の促進、食育、福祉・労働衛生の向上、健康維持、生活者の見守りなど、様々な被災地復興のための課題の解決にも役立ち、循環器病制圧にも役立つはずです。この目的達成のためには、現地の自治体、大学、栄養士会、産業界等のご理解と、政府等の支援、関係諸機関の息の長い連携が必要です。

最終更新日 2013年03月06日

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