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10年後の望ましい姿

1.“QOLの高い健康長寿”

日本人の平均寿命は着実に伸びています。国民医療費が1兆円をはじめて超えた昭和40(1965)年の平均寿命は男性67.7歳、女性72.9歳で した。それが平成14(2002)年には男性78.3歳、女性85.2歳に伸びました。さらに人口構成における高齢化も急速です。例えば、65歳以上の人の割合は、昭和40年は6.3%、平成17年が19.8%です。

加齢に伴って、だれもが思い描く共通の願いは「自立した健康長寿」です。私たちは10年後の望ましい姿を「生き生き健康長寿」と定め、これを達成するための戦略と、その実現を検討してきました。

今後ますます高齢者人口が増加する中で、医療のあり方も変わってくるでしょうが、克服すべき最大の課題は、前に述べたように循環器病と、その予備群である生活習慣病対策だと私たちは考えています。

ハイキング
元気にハイキングで健康長寿を楽しむ高齢者たち

2.科学的研究の充実から始まる

いつの時代も、医療は科学の先端技術を積極的に取り入れています。人類が科学を始めた紀元前のギリシャにおいてさえ、医家の高い技術が誇りを持って語られています。病気の発見、診断と治療法の開発、そして予防法の確立には科学的経験の蓄積が基盤になります。

今日では医療の客観性を確保するために、大規模試験(大人数を対象とする臨床研究)や、二重盲検法が当然のこととして用いられています。”根拠に基づいた医療(EBM:evidence based medicine)”という用語も、よく使われるようになってきました。

21世紀に入って人の遺伝子情報(ヒトゲノム)の解読が完了しました。さらに進んで、病気に関連する遺伝子多型やたんばく質の変化が解読できる時代になりました。

こうした成果によって、両親から半分ずつ譲り受けた遺伝子の組み合わせで決まってくる素因と、個人が選ぶことのできる生活習慣や環境の影響を詳細に 計ることができるようになります。これらの科学技術がさらに進歩すると、医薬品や治療法を選ぶときに、一人ひとりの個人特性を科学的に考慮して行う医療、つまり「テーラーメイド医療」が実現します。

この夢を現実のものにするには、基礎研究はもちろんのこと、その成果の延長線上で、臨床研究を地道に積み上げることが、ますます重要になってきます。

市民公開講座
市民公開講座で生き生き健康長寿を目指して病気の予防法や医療の進歩を学ぶ

1)合理的で国民にわかりやすい研究の提案

健康を目指した医療は、国民皆が等しくその恩恵を受けるべきものです。新しく発見された技術や素材、あるいは概念が、日常の診断や治療に活用され、健康増進に役立つには、科学的な検証が必要となります。

ですから、医療の研究は、特に合理性、説明性、倫理性、安全性に関し、それぞれ最高のレベルが要求されます。平成18年度から実施される第3期科学技術基本計画の重点事項にも「社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術」が強調されています。

日本の医療に従来欠けがちだった医療のエビデンス、つまり、日本人に適合した科学的根拠を充実するためにも、これからの医学・医療研究は、十分な説明に基づき、合理的で、安全で安心な医療を目指して行われるべきです。

シミュレーション研究2 シミュレーション研究2
致死的な心室細動のスーパーコンピュータによるシミュレーション研究

2)対象とすべき重点分野の設定

国民に納得がゆく健康長寿を実現するには、長期展望に立った研究が、重点的に進められることが何より大切です。「循環器病克服10ヵ年戦略」研究班と国立循環器病センターのスタッフは、2年間にわたって多面的、かつ多角度の検討から重点分野のあり方を議論し、今後、私たちが力を注ぐ対象を以下の6分野に集約し、実現への戦略を展開したいと考えています。

循環器病克服10ヵ年戦略の重点分野

自動体外式除細動器(AED)1  自動体外式除細動器(AED)2  自動体外式除細動器(AED)3

自動体外式除細動器(AED)4  自動体外式除細動器(AED)5  自動体外式除細動器(AED)6

救急車が来るまでに

国内で使用されている自動体外式除細動器(AED)。病院や救急車にしかなかったが、さまざまな場所に設置され、一刻を争う心臓発作を救えるようになってきた。メーカーにより外観は異なるが機能は同じ 

AEDの使い方

AEDはこう使いましょう

病院内外の医療従事者や市民への教育が継続的に実施されている

最終更新日 2011年03月28日

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