医療安全管理部
研究活動の概要

院内の医療安全管理体制の確保と推進を行うために、副院長を委員長とした「医療安全管理委員会(医療法設置義務)」を設置している。医療安全管理委員会の目的達成のため、医療安全管理の実務を担当する部署として、「医療安全室」が設置(平成14年10月~)されている。医療安全室は室長、医療安全管理者以下19名(併任含む)で構成している。

加えてリスクマネージャー(医師部門24名、薬剤師・技師(士)部門7名、看護師部門26名、事務管理部門4名)を任命し、医療安全室との連携・協同のもと、院内各部署の医療安全活動を展開している。

医療法に基づく活動
  1. 医療安全に係る委員会の活動
  2. 会議名称

    回/年

    主な審議内容

    医療安全委員会

    12

    医療安全確保に係る事項全般
    医療安全室全体会議

    12

    医療安全室WG活動、インシデント事例分析後の対策検討
    医療安全室コアメンバー会議
    (1回/週)

    48

    インシデント事例分析(386件)、医療安全相談窓口など患者家族への対応の協議
    医療安全推進担当者部会(医師・薬剤師・技師(士)合同部会)

    12

    インシデント再発防止策など医療安全の具体的方策の検討
    医療安全推進担当者部会
    (看護師部会)

    12

    インシデント再発防止策等医療安全の具体的方策の検討、インシデント事例分析演習、テーマ別院内ラウンド

  3. 医療安全管理指針の整備
    • 平成27年9月 医療安全推進指針・医療安全推進マニュアル第19次改定・配布
    •   ・・・・改訂の主な内容は、医療安全管理指針、医療安全管理に関する規定、医療安全管理
          マニュアル、医薬品の安全使用のための業務手順書、医療機器保守管理指針
        ・・・・MRIのタイムアウト用紙の改訂、実施について、事故調査制度に留意した報告
          ルートの整備

  4. 院内医療事故等情報収集・分析
  5. ○平成27年度インシデント・アクシデント報告件数

    報告件数

    医師(%)

    薬剤師・技師(%)

    看護師(%)

    事務(%)

    インシデント

    3,313

    176(5.3%)

    191(5.8%)

    2,928(88.4%)

    18(0.5%)

    アクシデント

    11

    6(54.5%)

    0

    5(45.4%)

    0

    その他

    76

    11(14.5)

    12(15.8%)

    52(68.4%)

    1 (1.3%)

    3,400

    193

    203

    2,985

    19


    ○インシデント再発防止対策等院内安全の確保(抜粋)

    • ワーファリンチェックリストの導入と運用
    • MRIタイムアウト用紙の改訂
    • 転倒リスク患者へのリストバンドマーキング開始
    • 転倒・転落予防具の一括管理
    • 輸血時血型表示カードプリントアウトのシステム化
    • 内服自己管理導入時アルゴリズムの作成と記録の整備
    • 返納薬伝票作成と手順の整備
    • 水薬(トリクロリール)水薬瓶の変更と定数見直し
    • ダブルバッグ輸液製剤の隔壁開通防止に関する注意喚起
    • 急変時時刻(セントラルモニターまたはHIS)基準に関する注意喚起
    • 人工呼吸器バックアップモード設定に関する注意喚起と表示の整備

  6. 職員研修の実施
  7. ○全職員対象講習会(受講率100%)
      第1回目(2015/7/24)
        テーマ:「苦情・クレーム対応」  ~ 正しい理解があなたを守る ~
        講師:大賀 祐典 先生
      第2回目(2016/2/5)
        テーマ:医療安全に関する政策と背景について
        講師:倉貫 弘務 先生

    ○テーマ・対象別研修

    講演・講義

    新採用者対象医療安全講義
    医療訴訟ガイダンス「医療訴訟の実情と判例」
    MRI医療安全講習会   麻薬管理について  インスリンについて
    抗凝固薬の知識

    シミュレーショントレーニング

    新採用専門修練医・レジデント対象医療安全演習
    オーダリング、気道管理、大腿動脈穿刺、エコーガイド下CV挿入、CPR
    DC、カルテ記載、新採用看護師対象医療安全演習

    ME機器研修

    人工呼吸器研修(Servoⅰ, AVEA, Ⅴ60, BiPAP, BabyLog, Hamilton, RTX,)
    DuraHeartプロテクトカバー研修会
    HeartMateII説明会  ビームセンサーの取り扱い
    閉鎖式保育器  ACH-Σ/CRRT  血液浄化装置  サイクロトロン
    PCPS・IABP  ドクターカー  ガンマナイフ  トレプレスト
    アブレーション  Mリディウム


  8. 医療安全相談窓口
  9. ○脳外科術後合併症
その他の2015年の主な活動
  1. 医療安全ワーキンググループ活動
    • 教育研修:医療安全研修計画・実施
    • 誤薬・指示:分析および注意喚起、アルゴリズム開発
    • 心肺蘇生事例分析:「院内心肺蘇生経過記録」「急変時処置記録」のチェック
    • 医薬品安全管理:プレアボイド報告、医薬品適正使用ガイドライン更新
    • 医療機器安全管理:人工呼吸器勉強会、ME機器中央管理運営
    • 安全な手術・タイムアウト:不備件数報告と注意喚起
    • 患者誤認防止:患者フルネーム呼称確認キャンペーン、病棟ラウンド
    • インシデント分析(386件)
  2. 院内事例検討会・医療事故調査委員会
    • 院内事例検討会:11例
    • 医療事故調査委員会:開催なし
  3. 重症回診
    • 136例実施
  4. その他
    • 院内ラウンド(モニター表示リスクラウンド)
    • 院内ラウンド(転倒リスク患者リストバンドマーキング実施確認リスクラウンド)
    • 医療安全情報周知10回発行
研究発表
  • 第9回医マネジメント学会大阪支部 平成27年2月27日 発表者:溝神裕美
    「循環器専門病院における内服自己管理の判断指標となるスクリーニングシートの開発」