看護部
研究活動の概要

看護部における研究活動は、循環器病看護の知識・技術の向上を目指すために必須の活動であり、看護部の教育研修プログラムの一環として、認定・専門看護師やCVENを講師とし、看護研究の意義、文献検索、倫理的配慮、研究計画書の作成の仕方などの学習を継続している。また、『NCVC看護研究会』が中心となり、2015年2月「第5回NCVC看護研究学会」を開催した。今年度は12題の口述発表と10題のポスター提示、そして特別セミナーでは伊藤 文代 看護部長を演者に迎え「臨床指標を用いた循環器領域における看護ケアの質向上に向けた取り組みについて」のテーマで講演会を実施し232名の参加があった。日々病棟で取り組んでいる看護実践を積極的に共有し、お互いに刺激を受け、切磋琢磨できる機会となったと同時に、看護部が力を入れ取り組んでいる、循環器看護のインディケーター作成の意義と活用について全看護スタッフが理解できる機会となった。

今年度の看護部で取り組んだ研究テーマは、当センターならではの高度で特異的な診療を必要とする難易度の高い症例の看護に関するもの、患者・家族指導や支援に関するもの、看護師の実践能力の評価、教育・人材育成に取り組んだもの、看護管理者の視点からのものなど、多岐に渡っている。その取り組みの成果を学会及び学術集会で発表することができた。

2014年の主な研究成果
  1. 研究助成による研究
  2. 循環器病研究開発事業に以下の3題

    • 循環器看護領域におけるケアプロセスの定量的評価指標の構築
    • 末期重症心不全に対する医療体制確立に向けての研究
    • 下肢診療を通じた動脈硬化早期発見・早期治療および重症化予防に関する研究

    公益財団法人循環器病研究振興財団
     循環器疾患看護研究助成に以下の2題

    • 虚血性心疾患患者の日常生活行動に関する実態調査
    • 急性心筋梗塞患者の急性期における排便が心事故に与える影響についての調査

    公益財団法人循環器病研究振興財団
     日本光電循環器病研究助成に以下の2題

    • ペースメーカー植え込み術を受けた患者が退院一ヶ月間に感じているQOLに与える影響要因
    • 人工呼吸器を装着した重症心不全患者に対する早期離床・リハビリテーションプログラムに関するパイロット研究
  3. 循環器疾患看護の専門性を発揮した研究
    • 循環器緩和ケアチームの活動に関するもの2題
    • 重症心不全患者の補助人工心臓装着中の看護および心臓移植後患者の看護に関するもの10題
    • 心臓リハビリテーションに関するもの5題
    • 乳児から学童期にある患児とその家族に関するものなど10題
    • 肺高血圧症患者の外来看護相談の取り組みなど入院から在宅管理及び退院指導に関するものなど2題
    • 安全な看護の提供を目的にチェックリスト作成や教育方法に取り組んだもの5題
    • 教育・人材育成に取り組んだものとして、心臓血管外科及び心臓内科集中治療室における臨床現場での教育手法の検討に関するもの3題
    • 「職場風土」「働きやすい職場環境」など看護師長の役割として看護管理者の視点に関するもの5題

    総演題数57題を以下の学会及び学術集会への院外発表とつなぐことができた。

    日本集中治療医学会学術集会、日本心不全学会学術集会、日本脳卒中学会総会、日本母性衛生学会学術集会、日本心臓移植研究会学術集会、日本心臓リハビリテーション学会、臨床運動療法学会学術集会、日本臨床補助人工心臓研究学会、日本人工臓器学会大会、日本人工心臓と補助循環懇話会学術集会、心臓血管外科ウィンターセミナー、日本移植・再生医療看護学会学術会、日本心臓血管麻酔学会学術大会、日本未病システム学会学術総会、日本クリティカルケア看護学会学術集会、日本肺高血圧学会、日本肺循環学会、日本新生児看護学会学術集会、日本胎児心臓病学会、日本医療マネジメント学会学術総会、緩和医療学会学術大会、日本医療情報学会看護学術大会日本医療教授システム学会、日本循環器看護学会、日本小児看護学会学術集会、日本看護管理学会学術集会、国立病院総合医学会、国立病院看護研究学術集会、日本看護医療学会学術集会、日本医療マネジメント学会 大阪支部学術集会、近畿地区国立病院看護学会