臨床検査部
研究活動の概要

臨床検査部は、循環器疾患に係る臨床診断に有用な技術(手技)の開発・検討・評価を行っている。

特に、超音波検査における基礎的な検討から臨床診断への有用性の検討、循環器疾患関連の遺伝子検査の開発と有用性の検討、長期ヘパリン療法のモニタリングにおける評価法の確立、心臓移植患者における栄養指標評価の検討などを主な研究テーマとして取り組んできた。

なお、臨床検査部はISO15189認定検査室として、臨床検査データの精度を保証することにより、国際共同治験や臨床研究等の研究活動に貢献している。

2013年の主な研究成果
  • 超音波検査における基礎的研究として、ファントムを用いた水槽実験モデルによる基礎的検討により僧帽弁輪運動速度波形に及ぼす影響因子について明らかにした。
  • 先天性心疾患患者に対する腹部超音波検査の有用性の研究として、フォンタン手術後症例における肝臓超音波所見である高輝度スポットは肝小葉内繊維集積を反映することを明らかにした。
  • 胎児に対する心臓超音波検査を実施することの出産前検査としての有用性を示した。
  • 循環器疾患関連の遺伝病である先天性QT延長症候群における補正QT間隔と遺伝子検査陽性率の関連性について明らかにした。
  • 心臓移植患者における栄養指標評価の研究としてCONUT Scoreを用いた心臓移植患者の栄養評価により予後評価の可能性を示した。
  • 妊婦における長期ヘパリン療法のモニタリングにおける評価法として抗Xa活性測定の有用性を示した。
研究業績
  1. Yokoyama S, Ueshima H, Miida T, Nakamura M, Takata K, Fukukawa T, Goto T, Harada-Shiba M, Sano M, Kato K and Matsuda K. High-density lipoprotein of Japanese has markedly increased over the past twenty years. Journal of Atherosclerosis and Thrombosis. 21, 151-160, 2013.
  2. Nakasone I, Hashimoto S, Masuda Y and Nakatani S. Increased heart murmur with standing in a case of pectusexcavatum. Journal of Echocardiography. 11, 121-122, 2013.