呼吸器・感染症診療部
研究活動の概要

呼吸器・感染症診療部には、〇感染症科 〇呼吸器科の2つのセクションがあります。呼吸器科では循環器疾患との合併・併存が多い呼吸器疾患を中心に、循環器疾患との関連を調べ新しい診療概念の確立を目指しています。感染症科では循環器領域における効果的な感染症診療の確立に向けて、臨床検査部や薬剤部と連携して研究活動を行っています。

具体的には以下のテーマの研究を行っています。

  1. 循環器疾患患者における感染症発症状況の把握と効果的な感染予防策および診断・治療方法の確立に関する研究
  2. 感染症の早期発見・治療評価のための非侵襲的診断法の開発
  3. 循環器領域における慢性閉塞性肺疾患(COPD)の合併・併存状況の把握に関する研究
  4. 慢性心不全とCOPDの相互作用に関する研究
  5. 循環器領域における睡眠時無呼吸の病態解明と効果的診療方法の確立に関する研究
2013年の主な研究成果
  • 難治性心血管系感染症(縦隔炎、大動脈グラフト感染、感染性大動脈瘤、LVAD感染)を対象にした後ろ向き観察研究「難治性心血管系感染症に対する抗菌薬使用状況の横断調査 [Survey of Antimicrobial Use in Patients with Refractory Cardiovascular Infection (SAPRI)]」により、難治性心血管系感染症に対する抗菌薬療法の現状を把握し、効果的な抗菌薬療法確立のための基盤を構築した。
  • カルバペネム系抗菌薬の緑膿菌に対する感受性低下因子について解析を行った。
  • LVAD創部感染患者の敗血症発症予防策としての抗菌薬の適正使用および創部ケアの早期介入の重要性を明らかにした。
  • 感染症の早期発見・治療評価のための非侵襲的検査法を開発すべく、感染症と循環器疾患の病態の関連を探索することを目的とし、両者に共通してかかわる活性酸素種計測法と生体ガス成分の非侵襲的検査法を確立した。
  • 循環器病併存 COPD のデータベースを作成するとともに、循環器領域における COPD 患者の特徴を明らかにした。
  • 循環器領域における睡眠時無呼吸症候群患者のデータベースを作成した。
研究業績
  1. 佐田 誠. 睡眠時無呼吸症候群と循環器病ーそのいびきが危ない!ー. 知っておきたい循環器病あれこれ,101,1-15,2013.
  2. 佐田 誠. 肥満と肺血栓塞栓症. 日本胸部臨床,72,151-158,2013.