国立循環器病研究センター研究所

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組織・各部の紹介 細胞生物学部

細胞膜変形機構の解明

【概要】

血管内皮細胞は物質の透過性をparacellular transcellularで決定している。内皮細胞間接着がtranscellularな物質透過を決めるのに対して、細胞膜変形、輸送小胞の形成によってtranscellularな透過性を規定している。本研究では、細胞膜の曲率決定因子あるいは、エンドサイトーシス制御分子として機能するBARドメインを有する分子の構造決定と機能を明らかにすることを目的に研究を行っている。

【解説】

2006年にBARドメインを有する分子群のなかでエンドサイトーシスを司るGTP結合蛋白質Dynaminの結合蛋白質であるEndophilinが細胞膜を負(凹)に曲げることを明らかにした。一方、血管内皮細胞のshear stressの際に発現が亢進するMIM分子とアクチン細胞骨格系制御低分子量GTP結合蛋白質Rac、Cdc42に結合するIRSp53はいずれもBAR構造を有して、細胞膜を正(凸)に曲げることを突き止めた。PECAM-1燐酸化キナーゼであるFer チロシンキナーゼがBARドメインを有していることからFer分子の構造解析を行った結果、FerのBARは(凹)に膜の曲率を調節していることがわかった。BARは、一連の構造解析結果から(1)バナナ型の構造をとりダイマーを形成して両端が脂質との結合作用を有する(2)疎水性部位が両端だけでなくほかの部位でも膜との結合が可能な部位(endophilin)があることがわかっているが、個々のBARの特性についてはさらなる構造学的な検討が必要である。またBAR構造を有するどのような分子が内皮細胞のtranscellularな物質輸送にかかわるのかを今後明らかにしていきたい。

最終更新日 2011年03月07日

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