国立循環器病研究センター

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山口武典名誉総長がAHA国際脳卒中学会賞を受賞

令和3年3月11日
国立循環器病研究センター

国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、理事長:小川久雄、略称:国循)の山口武典名誉総長(第6代総長)が、米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA)が主催する国際脳卒中学会(International Stroke Conference、2021年3月17~19日開催)で、栄誉あるDavid G. Sherman賞を受賞され、学会にて受賞記念講演が行われます。記念講演は日本時間の3月17日23時以降に、同学会のウェブページ(参加登録が必要)でいつでもオンデマンド視聴できます。

David G. Sherman賞について

国際脳卒中学会は、脳卒中医学領域で最も伝統ある国際学会で、年1回米国で開催され、世界中から多くの研究者が参加します。David G. Sherman先生はテキサス大学サンアントニオ健康科学センターの神経内科学主任教授としてご高名な先生でしたが、2007年に65歳の若さで逝去されました。
国際脳卒中学会はSherman先生の功績を称え、2010年大会よりDavid G. Sherman賞を設立して、脳卒中医学・医療に長年にわたって多大な貢献をされた医学者を毎年1名、表彰してきました。

山口名誉総長の受賞理由

山口先生は、わが国における脳梗塞静注血栓溶解療法の導入や心房細動合併脳梗塞患者への至適再発予防法の確立、非心原性脳梗塞患者への長期抗血小板薬二剤併用による再発予防法の確立など、多くの新規脳卒中治療を確立されました。
2018年に公布された「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(いわゆる脳卒中・循環器病対策基本法)」も、当時日本脳卒中協会理事長として、10年間にわたって法制化のための運動を先頭に立って行ってこられた成果です。
また、海外の医学者には、現在の世界脳卒中機構(World Stroke Organization)の前身であるInternational Stroke Societyが1989年に設立されて後、事務局長~副理事長~理事長として一貫して同会を支え、世界脳卒中機構開設時の執行役員としても活躍されたことが、深く記憶に残っています。
気さくな山口先生には海外研究者の友人が多く、今回も欧米豪日の多くの仲間が熱烈な推薦状を寄せ、栄えある受賞に繋がりました。

Sherman教授と山口名誉総長

数多い海外研究者仲間のうち、山口先生が特に親しかったのがSherman教授です。お二人はともに心原性脳塞栓症の診断と治療を年来の研究課題としてこられた縁で早くから知り合い、家族ぐるみの交流をなさっていました。
今回の山口先生の受賞をSherman夫人が何よりも喜ばれましたし、Sherman先生も「やっと山口が受賞したか」と喜んでおられることでしょう。
本来であれば、米国デンバーの国際会議場大ホールで、満員の聴衆を前に授賞式と受賞記念講演が行われるところですが、あいにくのコロナ禍で完全ウェブ開催に切り替わったのが残念です。ただ、逆に、これにより、国内外のどこからでも記念講演をライブで視聴できるようになったのは、良かったと思います。
国内に広く散った山口先生の弟子、孫弟子も皆、今回の受賞に感激しています。

(写真解説) 山口武典名誉総長とSherman夫妻

2001年3月大阪での第26回日本脳卒中学会年次学術集会(山口会長)にて

最終更新日 2021年03月11日

最終更新日:2021年09月26日

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